【更新 令和511/1

山荘案内 3分間グルーミング気功 ②耳からの健康法 ③養生革命 

 ④枇杷の葉療法について ⑤松葉酒の作り方 ⑥クコとの出会いと効用  

⑦桑の効用 ⑧植物とのコミュニケーション ⑨たんとん叩き等

 

日希山荘のご案内  〈合宿型民泊〉

      場所-埼玉県児玉郡美里町 

 日希山荘 料金表

◎基本的に金土日(12日及び23)の開所となります。

(13open12close)

7日前までに予約が必要です。土日月、他曜日、大型連休、長期の場合はご相談下さい。

予約・問合せ

電話03-5926-5803 太陽健康会 E-mail taoizumu0358@yahoo.co.jp

予約はメールにて氏名、住所、性別、人数、電話番号、メールアドレス、希望日、交通手段を記入の上、お申込み下さい。

【携帯080-9062-2458 高島    Gmail harukisansou@gmail.com--山荘滞在中】     

料金  1        5500円  ※税込み、清掃料加算なし、冬季加算(薪代等)

231組 5000/

◎一棟貸し 10名まで 20000

23日のファスティング 未定

※宿泊以外のプログラム

 

 

埼玉県児玉郡美里町の山間にある合宿型山荘です。最寄駅は寄居駅か秩父線の波久礼(ハグレ)です。寄居駅からは天正寺、大正池を経て鐘撞堂山(ツリガネドウヤマ)のハイキング(美里特産センター・あんずの里方面、約90分)でも行けます。波久礼駅(長瀞まで3駅)からは徒歩40分程度です。円良田(ツブラタ)湖が近く、山荘の周りは竹林で清々しく気持ちがよい場所にあります。5月にはタケノコ堀りができますので、是非いらして下さい。旧住所は字権現山とあります。権現とは菩薩が人々を救うため、仮の姿となって現れることをいいます。そのような救済の場として活動ができれば幸いと思います。また首都圏大震災時の緊急避難場所としても開放いたします。

 大広間は25(板間、タイルカーペットあり)あり、天井高く、広々とした空間です。ヨーガや気功、太極拳、ダンス、武術等の合宿や研修、ミニコンサート等に最適です。もちろん個人や友人、家族で使っていただくのもOKです。1階は玄関、台所、トイレ、大広間、管理人室です。2階はシャワー室、7畳の休憩室(寝室)です。お風呂はありません。亀の井ホテルの温泉が徒歩30(車で7)にありますので、こちらをご利用下さるのがよいでしょう。(1045分~15時、受付14時まで)波久礼駅から亀の井ホテルまで徒歩15分、その手前のハイキング道を通って円良田湖へも行けます。

 

山荘住所 埼玉県児玉郡美里町大字円良田(字権現山)849-3〈〒367-0116

山荘は美里町の南端に位置し、円良田湖をはさんで寄居町との境に近く、寄居からのアクセスが便利です。ハイキングコースも多くあります。美里町はブルーベリーの日本有数の名産地で18軒の農園があり、78月が最盛期です。円良田湖はワカサギ、ヘラブナ釣りが楽しめます。円良田湖から東南に下り、羅漢山から少林寺に向かう山道には500体を超える石仏(五百羅漢、千体荒神)が立ち並んでいます。(現在、円良田湖西側は道路拡張工事中)

県道349号、円良田湖を過ぎると右側に円良田特産センターがあります。そこを100m行くと右側に円良田農民センター(民家)があります。その対側にはゴミ集積所、小さな石仏があります。道を右に曲がり(右に美里ロイヤルゴルフクラブの看板有)川を超えて50m、左カーブを行き(まっすぐ行くと鐘撞堂山へ行くコース)ゆるい坂を上がっていき150mで左側に山荘の駐車場と上り段(竹林)が見えてきます。山荘からずっと先はゴルフ場になっています。

都会生活での不自然な環境では知らないうちに身心にストレスをかけています。この自然豊かな平安な場所に来て、心を開放し、自然と融け合い、休養し、心豊かな時間を持ってください。そして心身ともに健やかになって都会へ戻り、自分自身を保てるようになってください。読書三昧もよし、瞑想三昧もよし。気休めの癒しは山ほどあります。癒しは与えられるものでなく自ら起こるもの、それには命を深く識ることが大切です。身宝を拓くささやかなお手伝いをさせていただきたいと思っています。

●交通(東京方面から)

「車」 関越自動車道 練馬IC(56.1)→花園IC 約40分 花園IC(国道140)→寄居駅 約10分 140号を円良田方面に右折 約12分で山荘着

   ※花園ICを出て近くの140号沿い「道の駅はなぞの」はおすすめ!!

   ※令和410/20ふかや花園プレミアムアウトレットがオープン

「電車」◎東武東上線 池袋→小川町→寄居 急行で約90920円 (小川町乗換、乗換時間除く)森林公園まで川越特急利用可 秩父線寄居→波久礼駅5170

   JR八高線 八王子→高麗川→寄居 約90分 (高麗川乗換 乗換時間除く)

秩父線寄居→波久礼駅5

   JR高崎線 上野→熊谷 約65(新幹線利用約35) 秩父線 熊谷→波久礼駅 約35

 

 

◎台所用品、調味料(醤油、塩、砂糖、お茶等)食器、炊飯器、冷蔵庫、洗濯機、寝具などは備えてあります。

タオルはご持参下さい。

◎広間は板敷で、ソファーを除ければ広く使用できます。タイルカーペットが14畳分あり。

◎農産物直売所、市場、食事処、コンビニなどは2.5㎞~3.5㎞先に行かないとありません。すぐ近くの円良田特産センターは物(野菜が主)が少ないです。 

◎ドコモ以外は電波がつながりにくいようですので、ご留意下さい。

◎田舎道をサイクリングできます。(自転車1)

◎ピザ窯やバーベキュー、焼き芋などで火を使われる方はご一声かけて下さい。

◎無造作に竹藪に入らないで下さい。79月はヤブカ、ハチ、アブ等に刺されることがありますのでご注意下さい。山歩きをする時は黒の服装は控えて下さい。

◎亀の井ホテルの温泉はお勧めです。11時~15時。寄居駅から一日2回無料バス運行。

※宿泊以外のプログラム(自由選択)

気功養生学の指導(6080分×2)--4400円 

吸玉浄血療法--2200円 

よもぎ蒸し--2200(未定)  

遠赤外線低温サウナ--2200

23日のファスティング  

健康講座

早朝ウォーキング、青空気功&太極拳(24・48・42)、瞑想--希望者無料

夜のグルーミング気功(安眠)--希望者無料

フットマッサージャー、大地浴場(アーシング)--誰でも使用可

竹を使ったモノ作り体験--希望者無料(青竹踏み、竹コップ、竹ハシ、竹トンボ等々)

竹炊飯体験--有料(できない場合あり)

 

ファスティングのすすめ

 現代人のほとんどは食べ過ぎ状態で、肩こり、頭痛、便秘、腰痛など様々な症状を生んでいます。人間の進化上、過食飽食肥満という状態はなかったことで、食のみでなく、現代生活全体の至便主義は人間の危機察知能力や潜在力、生命力、免疫力を弱化させるものです。

新型コロナで世界中が怯えましたが、今後も感染症は周期的にやってくるでしょう。こういうものに対処するには一人一人が免疫力を養っておくことが一番の予防といえます。ワクチン(毒薬に次ぐ激薬指定)に頼る必要はありません。

同じ食を絶つにしても、食べないと決心した場合(断食)と遭難などで食べられない(食べないと死んじゃう)場合は雲泥の差があります。前者では元気を保てますし、身心共にリフレッシュします。後者では衰弱してしまいます。ファスティングでは疲れた内臓の休息と軽い飢餓状態をつくることにより潜在的生命力が喚起されます。

発酵果実食療法では腸管内の微生物叢が非常によくなるというのが特徴です。食と腸内微生物叢の状態は切り離せない関係で、最大の免疫器官である腸管免疫系に影響します。また腸管では多くのホルモン(腸脳ホルモン)を分泌しホルモン系としての役割も大きく、身心の健康を左右します。

 

今なぜ養生なのか! 養生の必要性(いのちの源流を知るヒント-健康とは何だろう?をお読み下さい)

「養生」とは、生命の働きを信頼し、その力を十全に発揮できるように、身心を育み、生活(食、性、環境、生き方等)を整えることです。生命の〈精妙で完全な働き〉に身をゆだねられる心を育むことは、この地球や宇宙の働きを信頼する心をも意味します。

生命を生かす元は「無限」のエネルギーです。整体創始者、野口氏曰く「養生とは、いつも楽々悠々として生くること也」 愛のエネルギーに包まれ生かされている生命(有難いイノチ)をゆったりのびやかに心地よく、楽しみ喜び夢ありて生きることが養生の精神です。

さて、日本は世界でも最も平和の国といわれます。いまだに戦争を繰り返している国や貧困の国にとっては、日本の現状の健康を追い求めるという発想自体はないはずです。江戸時代中期以降の幕府安定後、庶民においても養生ということに関心を持たれるようになりました。平和になり生活も豊かになったからこそ、今のように健康がクローズアップされているのです。それは裏返せば健康不安が増大しているということです。生活が豊かになったとしても、人間としての悩みや苦しみは減ることはありません。これは人間の業といえるものです。仏教では思うようにならないことの根本の苦として「生病老死」、それに加えて「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」があり、合わせて「四苦八苦」と呼んでいます。人間が悩み苦しむ原因は千年前も今も殆ど変わりありません。

20世紀になり科学技術の大きな進歩は私たちの生活に物質的な豊かさと便利さをもたらしました。21世紀に入りその行き先は資源の枯渇と環境破壊、そして地球そのものの危機を感じさせます。自然破壊・環境破壊(人間のエゴ)による異常気象、異常現象、核保有による戦争や事故の潜在的脅威、公害物質、薬品による生体汚染など、人類を含め地球生態系が大きく乱れています。いまだに飢餓や差別や戦争がこの地球上で起こっていますし、なくなることはないのでしょう。サイババがいうが如く、「あなたのこころの中の争いをやめること」の方が大切かと思います。「心=こころ」とは今ココに定まらないで、コロコロと動いて止まないものです。そのこころを統制して安定をはかり「今中に生きる」ことは、すべてを解決する道です。江戸期の養生訓(貝原益軒)には「畏れる、忍ぶ、慎む」がキーワードとして出てきますが、現代人には一番かけている要素かもしれません。

日本では自殺者は毎年2万人以上です。病院は大盛況で患者は減ることはありません。巷では様々な健康情報が溢れていて、それに踊らされている人が大勢です。平和ボケして危機感が薄いため、いざという時の判断力が欠如しているようです。大地震や津波、火山噴火などの自然現象だけでなく、個人の体についても然り。大病をしてから、何気ない日常生活の健やかさの大切さに気付くのです。事が起きてから準備するのでは遅いことが多いということを知るべきです。養生とは日常の生活態度を重視し、身心を整える生活法の実践ということでもあります。科学の発達(頭脳偏重)は人間の本能的な生きる力(生命力、潜在力)を鈍らせてしまったようです。その鈍った生命力を蘇らせることが、これからの厳しい時代を生ききる術(スベ)となるでしょう。

ルルドの泉(水)に奇跡があるのではなく、我が内にあるのです。こうして生きていること自体が奇跡であり、生かせていただいているというシンプルな事実に目覚めれば、外に幸福の青い鳥を求めることはなくなります。今此処に生き(生かされて生きて納得する)、そして日常の生活を如何に振舞っていくかが養生の基本です。その日頃の生きざまはそのまま死にざまとして現れるのです。至福の内に肉体を離れることが自然な死と考える「マハーサマディ」のように素晴らしい死を迎えるように準備することは、素晴らしい生を生ききることに他なりません。

戦後は今までの養生医学に替わって西洋医学が台頭しました。特に外科医療と医薬品の進歩により、「メスと薬」が現在の医療の中心になっています。健康保険制度が整備され、誰でもが安易に医療にかかれます。一方、医療費は40兆円、国の財政の半分を占める勢いです。今や医療への過剰な依存や過剰な医療による弊害は決して少なくはありません。成人病を生活習慣病と置き換えたのは日野原先生です。患者側の健康自覚を促す目的もありましたが、患者側の無責任体質は増大するばかりです。何でもかんでも医療、薬に頼ることは養生を疎かにして医療づけ、薬づけになってしまう。医の最上は「養生の道」なのです。

足を丈夫にしようと思ったなら歩くことです。足を大事にしているつもりで歩かないで坐ってばかりいると、足が細くなって弱ってしまい、それが全身へと悪影響します。また現代人特有の目の酷使はまた全身へと影響します。使わなければ衰える=廃用委縮、過ぎれば疲れるは身体の法則です。体とは自覚的に丁寧に時間をかけて、つき合って行かないと変わらないものです。自分の身体の力で自分の身体の中の正常さを保つように訓練することは大切な事です。とにかく自分で何とかしなくては変わりません。他人に替わりに歩いてもらってもダメ。しかし現代人はこれと同じようなこと(代用薬依存、医療にすがる)をして束の間の安心を得ているのです。これでは最後はスパゲッティ症候群、モルモット死となるでしょう。往生したかったら無暗に医療にかからないことです。(必要最低限に止める)

現代は情報化社会といわれます。テレビの健康番組は不安を煽っておいてのファンを作る式で医療に頼りきりにさせるのに一役かっています。その情報に一喜一憂している人は多いでしょう。癌=死・恐怖・闘病と即認識してしまうのは完全に洗脳されています。これでは内在治癒力が充分に発揮されません。考え様によっては癌は結構な病気なのです。正しい判断力は日頃の養生で培われ、生活及び心のあり方を正していくことが肝要です。

現代生活は昔と異なり健康問題にはいくつかの特徴があります。(①~⑩自然治癒力講義より) ①歩かなくなった ②衛生的になり過ぎた ③しゃがまなくなった ④重いものを持ち運ばなくなった ⑤光を直接見るようになった(パソコン、テレビ、スマホ、ゲーム) ⑥息を合わせられなくなった ⑦単純労働を厭うようになった ⑧噛まずに食べる ⑨祈りなき生活 ⑩家族団欒がなくなった ⑪医薬品に頼りすぎる ⑫情報過多 ⑬洗脳社会 ⑭消費促進社会 ⑮スポーツの弊害 ⑯化学物質の氾濫 ⑰電磁波公害 ⑱過食、飽食 ⑲放射能汚染 ⑳病院での不自然なお産等です。これらの事項を参考にして健康生活の設計を考えていただきたいと思います。

当所は自然なお産を奨めています。病院では自然なお産は100%ありません。母子の健康、幸せはここで決まるくらい重要です。お産は女性が自分のからだと向き合う最も重要な契機となるような経験です。多くの女性は病院に「おまかせ」で子どもを産むことに何の疑問を抱いていません。自分のからだについて何も考えないままでいると不必要な医療介入も黙って受け入れてしまいます。母親が自然に分娩し、臍の緒がついたまま赤ちゃんをすぐ胸に抱いて自分の心音を聞かせたり、語りかけたり愛撫したり、母乳で愛情深く育てること、これを世界中の母親が実行できたら、この地球上から戦争なんかなくなってしまう、といった人がいます。育児というのは受胎と同時に始まる(妊娠期は健康の土台づくり)ものですが、子の健康ということは、夫婦が心地のよい交合(氣の交流)をするということから始まります。

 

 

      

 

■発酵済みオガクズ(有機肥料)欲しい方はお申し込み下さい。

【使用法】種や苗を植える前に、発酵オガクズをそのまま土壌にまいて耕耘機で掻き混ぜておく。腐葉土とするには、日の当たる所に穴を掘って、発酵オガクズを入れる。枯れ葉や取った雑草等もいっしょに混ぜ込んでもいい。上にムシロとかゴザをかけておく。3ヶ月程寝かしておいてから使う。

庭木や花に撒く場合は、根に近くない所に一握り程度を置くといい

 

 

 

 

三分間グルーミング気功 トイレ気功 

トイレの中は貴重な私的空間であり、この3分間は有効な気功生活となります。

年齢を重ねると、目はかすみ(老眼、白内障等)、耳は聞こえづらくなり(難聴、耳鳴り等)、歯根は弱くなり(歯肉炎、歯槽膿漏等)、髪は白くなり抜け(薄毛、白髪等)、嗅覚は鈍くなり、顔はシミシワが増え、物忘れは増えます。これらの予防のための気功ですが、同時に現在大きな社会問題となっているボケ(認知症)の予防としての効果が期待できます。

3分間で行える気功ですので、是非健康習慣として下さい。一日2回を目安にしましょう。

便座に腰かけたままで行います。(排便時は②と火の呼吸法、邪気吐出法等を行う)

骨盤を立て姿勢を正します。

首を数回回してから、肩を上げストンと下します。

両手を組んで下腹に置きます。吸いながら両手を上げていき胸上で返しながら頭上(掌上)に上げて伸びをします。この時、括約筋(会陰)、お腹、喉を締め上げる感じになります。吐きながら両手を下ろしていきます。2回繰り返します。

人差し指と中指の間で耳をはさんで上下に30回擦ります。中指薬指で顎関節と周辺を30回大きく回し揉みします。

耳たぶをつまんで10回揉みます。耳殻の各3カ所をつまんで図方向へグッと痛いくらいに引っ張ります。1回ずつ。耳穴に指を入れて押えポンと抜きます。1

眼殻の上下左右の4点のツボ(清明、魚尾、魚腰、承泣)鼻翼両脇の迎香穴を呼気でグッと押えます。各ツボを2回ずつ押えます。

目玉を左回り右回りと大きく回します。各4回。両目の内側上の角(天応穴辺り)を上外方に押し上げます。前頭骨を上げるように5秒間。

両手指頭で頭全体を心地よくトントンと50回叩きます。

上下の歯をコツコツと30回噛みならします。舌先で歯根を圧しながら左右に回します。出てきた唾液をゴックンと飲み込みながらウ~ムと下腹に落とします。1

両手を重ね合わせて鳩尾から下腹にかけて撫で下ろします。臍を中心に下腹を時計回りに擦ります。各10回ずつ。顔全体を数回撫でた後、コメカミ辺りを上外方へ引っ張り上げます。10

膝周りを掌で擦ります。大腿外側と脛(すね)をパタンパタンと叩きます。数回ずつ

立つ時は胸骨を少し上げ、頭の天辺が持ち上げられるようにして立ちます。

【認知症(ボケ)予防の人丹法】

◎積極的に取り組める仕事(家事、ボランティアでも)を持ちましょう。

◎芸術活動、ゲーム、スポーツ等の心から楽しめる趣味を持ちましょう。

◎異性、若い世代との交流を楽しみましょう。

◎愛する人を持ちましょう。

◎おしゃれ心を忘れないようにしましょう。

◎本音の言葉のやりとりができる人間関係を持ちましょう。

◎物事を楽天的に受けとめ、行動するようにしましょう。

◎自分のためであり、相手のためでもあるように事を運ぶようにしましょう。

◎主体的に物事を決断しましょう。

◎時々日常生活から離れましょう。豊かな自然環境と触れ合う機会をつくりましょう。

A3に拡大コピーしてトイレに貼ってください。          令和元年6月 太陽健康会.

 

 

耳からの健康法

腎気は耳に通じるといわれます憔、耳垂の萎縮があれば、気血が衰え、腎がまさに絶えそうなことをあらわします。東洋医学では腎は単なる腎臓だけでなく、副腎や生殖機能、内分泌系を含んだ広い意味をもっています。「腎は先天の気の宿るところ」とされ、生まれながらの体質や遺伝子情報の要なのです。人間の生成や発育、生殖能力を支配しているのが腎です。子供が大きくなり歯がはえ変わり、骨が丈夫になり、女性は生理が始まり、男性は生殖能力がついてくる。これらはすべて腎の働きによるものです。人体の中枢神経を司る脳と脊髄も腎と深くかかわっています。ボケは腎が衰えたという証にと言えますし、髪は「血余」といわれ、その生成のもとは腎なのです。腎は生命力の根本で、老年になって腎が衰えると、歯は抜け落ち、骨はもろくなり、髪は艶がなくなり抜けていき、認知症や難聴にもなっていくのです。

耳ツボ療法(耳鍼療法)とは、一般的には耳電探測器械によってツボ反応点を探しだし、刺鍼したり置鍼をします。また疾病の補助診断として用いられ、疾病の治療として効果を上げています。手足の反射帯療法が定着していますが、耳にも身体全体のツボが縮図のように纏ってあります。耳ツボというと、すでに知られているダイエットはもちろん、現代病となっているアレルギー疾患(鼻炎、喘息、ジンマシン、皮膚炎等)にも効果があります。

家庭では鍼は使えませんので、手でマッサージや指圧をします。また電気ウキ用のリチュウム電池(3VタイプBR435/2B)は鍼の代用(マイナス直流電気刺激法)として使えますので、釣具店で購入してください。(爪楊枝も使えます)これから紹介する耳グルーミング(耳ほぐし)を自己療法(腎力アップ)として身につけていただきたい。

  人差指と中指で耳をはさみ、指腹で耳の付根の前後を上下に擦ります

  耳の上中下をそれぞれつまんで引っ張ります。次に上中下とつまんで回します。

  耳殻の上下をつまんで折り曲げます。数カ所やってみて痛みのある所を繰り返します。

  耳の上下左右の4穴のツボをそれぞれ指圧します。30秒ずつ小さく回すように。〈聴宮、角孫、脈、えい風〉

  鳴天鼓→手のひらを使って、耳殻を耳の穴にかぶせるように押えます。後頭部に指を当てがって、中指の上に人差し指をのせて、勢いよく指をパチッとはじきます。(耳奧でボワーンと響く)

  中耳圧刺激→人差し指の先で耳穴をピッタリと塞ぎ強く圧迫し、23秒間保った後ポンと一気に離します。

  側頭筋をほぐします。手根部で回しながらほぐしていきます。

  手のひらで前後左右に耳全体をシゴクようにします。風邪予防、安眠にもよい。

※①~⑧は耳周辺の血流をよくし、耳鳴り、難聴、めまい等に有効です。耳鳴りで悩んでいる人が多いといいますが、これらと顎関節周辺のほぐしと次の3つのツボ刺激を行いましょう。〈足の臨泣、小海、中渚〉

<参考>耳鳴りの原因と音の特徴--成人病-汽笛(ボー)、中高年-虫の声(ジー・ジー)、過労-鐘の音(カーン)

脳卒中-洗濯機(グワン・グワン)、中耳炎-蝉の鳴き声(ミーン・ミーン)、ストレス-金属音(キーン)

突発性難聴-波の音(ザー)OA機器症候群-風の音(ヒユー・ヒュー)、脳梗塞-ジェット音(ゴー)

  耳全体を丁寧に揉みます。時間に余裕がある方はやってください。リチウム電池刺激が効果的です。

耳たぶのシワは単なる老化現象の場合もありますが、心臓疾患との関係が示唆されています。耳たぶは毛細血管が密集しており脂肪も多い処です。体内の動脈硬化が進んでくると、併行して耳たぶの動脈も硬化します。すると脂肪に栄養が行き渡らなくなり,委縮してシワになるのです。中年期後で耳たぶにシワがある人は動脈硬化や狭心症、心筋梗塞にかかる確率が高いということです。

耳相について一言。動物の耳は位置が高く耳の上部が大きく開いて立っている。お釈迦さんの耳は下づけで開かずネテいて耳垂が豊か。耳の上部は「知」を、下部は「情」を表す。同じ東洋人ながら韓国人は耳垂部がない人が多い。

 

 

■タッピング・タッチ(たんとん叩き) 誰でも簡単にできる身体技法

 5本の指を寄せると指先が梅の花のようになるので「梅花掌」といいます。指先の腹のところでを使って、軽く弾ませるように左右交互に優しくタントンと叩くことを基本とします。「肩たたき」という歌があります。こぶしだと強すぎてダメですが、小さな子供ならちょうどいいくらてすね。

 タッピングの強さや速さは「心地よさ」が大切です。感受性は人それぞれです。場所によってや好みの違いなどがありますから、相手に聞いて確かめながら、気持ちがいいようにタッピングしてあげて下さい。強さは決して強すぎないように、優しい気持ちでタッピングしましょう。手首をゆるめてスナップをきかせて軽く弾むように、一秒に右・左と2回のゆっくりした速さから始めてみましょう。慣れてきたら、一秒で左右4回~6回の速さが心地よいように感じます。

時間は5分~15分程度を目安にしましょう。

 基本的にタッピングはお互いにやりあうのが心身もほぐれて良いのですが、ここでは自分で行う自己調整としてのタッピング法を紹介します。タッピングをすれば滅入った気持ちも軽減されてくるので、この機会に是非どうぞ!!

💛セルフケア(セルフ・タッピング) 前面部(顔頭胸腹)

  顎関節のタッピングから始めます。顎関節周辺から咬筋全体(噛みしめる筋肉)をタッピングします。顎の筋肉(咀嚼筋)はストレスや感情に影響されやすく、緊張していることが多いものです。口をポカンとしながらタッピングしてほぐしていきましょう。ストレスからくる突発性の耳鳴りや難聴は顎関節の緊張がほとんどです。顎関節症候群というものも顎の周りの緊張が昂じて様々な症状が起こるのです。片頭痛、三叉神経痛、眼精疲労、首肩の凝り、生理痛、腰痛、高血圧などにも関連するといわれます。

耳鳴りの原因と音の特徴 成人病-汽笛(ボー)、中高年-虫の声(ジー・ジー)、過労-鐘の音(カーン)

脳卒中-洗濯機(グワン・グワン)、中耳炎-蝉の鳴き声(ミーン・ミーン)、ストレス-金属音(キーン)

突発性難聴-波の音(ザー)OA機器症候群-風の音(ヒユー・ヒュー)、脳梗塞-ジェット音(ゴー)

  (頬骨)をタッピングします。鼻翼から耳孔まです。顎や頬の緊張がほぐれてくると、表情も明るくなります。

  コメカミから耳上辺りの側頭筋をタッピングします。ここには噛むときに動く側頭筋(咀嚼筋)があります。コメカミには頭や目の疲れのツボがあります。コメカミは蝶形骨という頭の中心を貫いている骨の表面に現れた部分です。蝶形骨の中心には窪みがあって脳下垂体という自律神経の中枢があるところです。コメカミの周り(他の骨との縫合部)は全身の反射があるところです。

  耳の周辺をタッピングします。耳前から耳上、耳後ろ、耳下と心地よくタッピングしましょう。

  眼の周りをタッピングします。眉毛上も丁寧にタッピングしましょう。

  鼻の周辺をタッピングします。副鼻腔の辺りも中に響かせるようにタッピングします。

  歯茎の上と下(下顎)をタッピングします。  ⑧ 額をタッピングします。

   額から上方へ頭頂骨をまんべんなくタッピングします。天辺近くの百会のツボを丁寧にタッピングします。叩打音が鈍いとか、乾いた音がするなど感じてみましょう。

後頭部から髪の生え際までタッピングします。特に生え際は丁寧にタッピングしましょう。生え際辺りは全身器官の反射があるところです。また脳の血行と関係します。

   胸に移ります。鎖骨下から腕のつけ根(烏口突起)、肩から水かき周辺(大円筋)をタッピングします。ここは片側ずつタッピングしていきましょう。

   (大胸筋)、胸骨をタッピングします。胸骨上部には胸腺という免疫器官があります。神経衰弱では胸が硬直しています。

   左右の肋骨をタッピングします。  ⑭ 臍の周辺、右肝臓辺り、左胃部をタッピングします。

  右下盲腸部から大腸を時計回りにタッピングします。鼠径部をタッピングして胸腹は終了です。

腕と脚、おしりはタッピングではなく、パッティングをします。パッティングとは、手のひらを窪ませた状態でポンポンと打つ方法です。タッピングのように弾ませたりはしません。刺激が強いので、加減しながら行いましょう。腰はパッティングの手のひらの反対側(甲の合谷のツボ当り)で軽くトントンします。

 

 

養生革命

太陽健康会。道報第191号 令和24903-5926-5803      

東京都板橋区大山金井町7-16 HP・太陽健康会で検索

 

新型コロナウイルスについて--微生物との共生が健康の鍵

 2009年に新型インフルエンザが世界的に流行しました。抗インフルエンザ薬タミフルの副作用の問題があったかと思うと、すぐにタミフルに耐性のある新型ウイルスが現れたなどという話題が記憶に新しい。ウイルスは環境に応じて変異していくので、人間がウイルスを退治しようとすれば、またウイルスは耐性をつけて変異していきます。ウイルスも生き物だから抵抗し生きていかなければならない。薬の力が強くなればそれに伴ってウイルスも強くなっていくのは当たり前です。これは人間とウイルスのイタチゴッコです。人間の方はと言えば、どんどん弱くなっている。庇えば庇うほど弱くなっていきます。(歩かない、動かない、飽食、薬依存、エアコンに頼りすぎ、清潔主義、情報過多等)鍛えられれば強くなり、住みにくい環境に生きていれば、それに適応するために強くなるというのは生き物の原則です。

私たちの体は一つの生態系です。その中に常在菌である大腸菌、乳酸菌、酵母菌、ビフィズス菌等やカビ、寄生虫、ウイルスなども共生しています。全体的に共生してバランスがとれていることが重要なのです。常在微生物叢が安定していれば、よその菌が繁殖できないのです。この見えない生命活動が人の健康を左右しているのです。

「新型」コロナというと得体の知れないということで、不安になってしまいます。これも言葉の暗示です。芯()がない人々は情報に操られ、買い占めに走るということで一時の安心を得ています。これは現代人特有の心の病(不安病)というものです。

ニュースを見ると感染数とか死者数ばかりに目が向けられていますが、罹患しても軽くすんでいる人の方が多いのです。感染者は発症者なのかという問題、亡くなった人はどういう体の状況だったのかの方が重要な情報です。また封鎖をして感染を遅らせると、感染総数は減るのかという問題提起もあります。2月に80歳代男性が感染し抗生物質の投与を2回し、その後亡くなったという報道がありました。糖尿病の持病があり、ウイルスに無効な抗生物質を2回も投与されれば治療の間違い(薬害死)だと推測するしかありません。

肺炎をおこして重症化するというのは、その人の体に矛盾があったからで、多くの人は陽性であっても無症状とか軽症(普通の風邪症状)ですんでいます。3/30にタレントの志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し肺炎で亡くなった云う報道がありました。志村さんはヘビースモーカーで夜も酒がないと眠れなかったといいます。健康不安があり、感染する1ヶ月前には禁煙していたらしいです。長年の習慣を禁止すると、しばらく体は安定せず変動を起こしやすいもので、ちょうどその時に感染拡大の時期でした。

政府は治療薬の認可、ワクチンの開発や感染拡大を阻止することに奔走しているといいます。そういう薬は極一部のに人日本は必要でしょうが、薬に頼るより、日頃の養生の方が必要なことです。。ウイルスを駆逐することを考えるより大切なのは、人間自らが自分の生命を守り健康を保っていくこと、その方法を知りその力を自覚することです。

養生的に生きている人には全く怖れる必要はありませんが、新型コロナウイルスやインフルエンザ対策として、

免疫力を整える簡単な日常的な方法を記しましょう。

①早寝、早起きする。朝の太陽光を浴びる。メリハリのある生活をする。適度の運動をする。薬依存を止める。

②水分をこまめに補う。一日何の水を飲め式でなく、要求に応じた飲み方をする。

③口呼吸に注意し、鼻呼吸を意識する。(口呼吸の防止、鼻呼吸は自律神経のバランスを整える)

④夜、自然に口呼吸してしまう人はぬれマスクをする。ガーゼのマスクの上1/3を外側に折り、二重部分を水で濡らし、口にマスクをかける。

⑤鼻の浄化呼吸、火の呼吸をする。鼻の洗浄。鼻のタオル温法をする。(鼻の通りをよくし鼻呼吸を促進)

⑥耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージしてよく唾液を出して嚥下する。

鼻は精妙なエアー・コンディショナーであり、体を守る生体防御システムです。ゴミやホコリが取り除かれ、空気の適切な温度や大量の湿度を与えてバイ菌類(ウイルス)の繁殖が抑えられています。また扁桃腺は鼻に続く第二の防衛ライン(免疫器官)です。扁桃腺では白血球がさかんに作られて、鼻の第一次防衛ラインを突破した病原菌や異物もこの白血球、鼻水、唾液に含まれる免疫物質によって消化されてしまいます。扁桃腺が腫れるのは、体の免疫系が闘ってくれている証拠だから、体を整えて免疫系を応援してやることが大事です。

免疫器官である扁桃腺は絶えず唾液で湿り気を帯びているときは力を発揮できるが、乾いてしまうと力が発揮できず、感染も起こしやすくなります。口呼吸を続けていると口の中が乾き扁桃腺がダメージを受け、唾液の分泌も少なくなります。また気管支や肺にも影響を及ぼすようになります。第一次、第2次生体防衛ラインである鼻、扁桃腺の機能が低下すると、免疫系のバランスが崩れ、免疫システムを狂わせていくことになるのです。

唾液には、デンプン分解酵素アミラーゼをはじめ各種の消化酵素が含まれ、食物の消化吸収に大きな役割を果たしています。また消炎酵素リゾチームや細菌の発育を阻むペルオキシターゼ、免疫物質インムノグロブリンAも含まれており、健康保全に大きく貢献しています。EGFとかNGFといわれる抗酸化物質、パロチンという唾液腺ホルモン、殺菌作用をもつ酵素も含まれています。(唾液は体内で唯一コントロールできる自家用薬)

唾液をよく出すには、よく噛んで食べることです。現代は柔らかいものがおいしいという風潮があるから、なおさらよく噛むことが必要です。唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)をマッサージすると唾液がよくでます。

⑦発酵食を多く摂り、よく噛んで食べる。過食、便秘をしない。(腸内環境を整える、腸管免疫系を賦活)

⑧冷たいものの摂りすぎで胃腸を冷やさない。お腹を温める、半身浴をする。

⑨臍の周辺を渦巻き状に押圧して弛めていく。(臍の渦巻き法)

日本は発酵に適した風土であって、古来より多くの発酵食が生まれています。発酵食は小腸にある腸管免疫組織、腸管リンパ系を賦活し、腸内微生物(細菌)叢を整える働きがあります。腸管リンパ系は体全体の78割に上るリンパ球を作り出し、体全体に免疫情報伝えている最大の免疫器官です。腸内微生物叢は自然治癒力の一環として、腸管免疫系と協力して健康を保ち、病気を治す上で重要な役割を果たしています。発酵食は即効性がありませんから、日頃から努めて発酵食を摂るようにしましょう。

私たちの現代の食を見てみると、インスタント食品、加工食品があふれており、若者はハンバーガやインスタントラーメンやポテトチップスで腹を満たしています。生鮮食品(酵素が豊富な生野菜、果物)はもとより、発酵食品などはあまり口にしません。少し健康知識のある人はサプリメントを摂って、不足した営養素を補おうとします。しかしこんな食生活では行く先は成人病となってしまうでしょう。

現代生活では夏に限らず冬にでも冷たいものを摂ることが非常に多いものです。暖房のきいた部屋で、冷たいアイスを食べ、冷えたビールや炭酸飲料で喉をうるおしています。あたかも、「冷たいもの中毒」に陥っているかのようです。胃腸を冷やすことは、消化力、吸収力を落とし、腸内細菌叢のバランスを崩し、最大の免疫器官である腸管リンパ系の働きを弱めることになります。

便秘の人も多く、慢性便秘になると有害ガスや活性酸素を発生させ、全身の免疫力を低下させます。便秘は万病の元といわれるように、食欲不振、腹痛、頭痛、肩こり、手足の冷え、腰痛、肌荒れ、口の中が渇く、口臭、咳、だるい、眠い、疲れやすいなど多岐に症状が現れ、いろいろな病気の原因ともなります。

⑩硬直のある鎖骨(肺炎活点)を温湿布する。胸鎖関節と胸骨丙部の胸腺反応区を手当てする。

⑪腰椎4番両四則の呼吸活点を弛める。⑫腹式呼吸、丹田呼吸を行う。

鎖骨窩は呼吸器や咳の急処で肺炎活点といわれます。インフルエンザの時にもここの硬直(呼吸器の疲れ)を弛めます。左右の胸鎖関節とその下の胸腺部に右掌を当てて、左掌を鳩尾に当てて行気します。胸腺は免疫センターともいわれ、T細胞の成熟化と不良細胞の排除、リンパ組織の発達促進の役割があります。腹式呼吸や丹田呼吸は日頃からやっておくとよいでしょう。呼吸活点は親指を当てて圧定し、腰を前後左右に動かします。

⑬盆の窪(延髄部)や上部胸椎(呼吸器に関係)を温める。⑭肝臓・腎臓・脾臓の温冷湿布を行う。(免疫力アップ)

 

 

  太陽プラーナの活用 「日拝」はあなたを変革する!

日本では古来より自然崇拝を大切にしていました。太陽を「お天道様」と呼んで物質以上の意味をもたせており、日の出には一日の安全と活力を、夕日には一日の無事と感謝を祈ってきました。富士山のご来光をはじめ、朝日の光はご来光として拝んでおり自然の神として畏敬の念を抱いていました。また「お天道様が見てござる」といって、神様は常に私たちの生活を見守っていて下さるということで、悪いことをすれば罰が当たると教えられて、私たちは氏神様を常に意識してきた民族でした。

江戸時代の水野南北という有名な観相家は「日拝、早旦百日せよ」といっています。早旦とは夜明けのこと、未明に起床して百日間、日の出を拝みなさい。もし百日続ければ、どんな病人も癒え、心豊かになり、どんな貧しい人も物質的に恵まれると教えました。東洋医学でも太陽のエネルギーを取り入れ、健康増進、病気退却の養生法として「日想観」が伝えられています。

「御百度を踏む」という言葉があります。真剣に百回以上続ければ、潜在意識(集合的無意識)に届いて願が叶う(変革を起こす)といことでしょう。ただダラダラとやったのでは効果はなく、一回一回が一期一会の心境ででないと変わりません。継続していくことで心身が確実に変化してきます。

癌のイメージ療法としてサイモント療法があります。このイメージはミサイルで癌細胞を攻撃するとか白馬の騎士が癌細胞を槍で突っついて壊すというものです。こういう破壊的イメージより、自分を一本の木にたとえ、風が吹いてくると癌細胞である枯葉が一枚一枚落ちていく、とか海底からフツフツと浮かび上がる小さな泡を癌細胞にたとえ、それを大きな魚に食べさせる、こういったイメージの方が日本人には親しみやすいといいます。気功的にいえば、イメージというのは意想にあたります。意念という場合はそれに言霊的要素が強く入ります。先の御百度参りは例えば「何々さんの病気が治ります」と念じつつ、病気平癒の真言を唱えたりするのは、意念にあたります。真言密教の「阿字観瞑想」も意念を用いるものでしょう。イメージとしては日想観のようにシンプルのものがいいように思います。

日想観

早朝の太陽に向かって自然体で立ちます。額の前で左右の親指、人差し指の先端を接し輪を作り、掌を太陽に向け、ぬくもりを感じます。太陽プラーナ(陽気)を吸収しつつ、それを下腹部(下丹田)に導きます。手の輪の間から太陽を数秒見つめて、目からも光を入れ下腹部に光を注ぎます。下腹部が光で満ちたなら、全身に発散させ、全身が光輝いているとイメージします。手は下げて丹田に置く(法界定印)か、左右に少し広げて奉げるようにします。(放光印)日想観を行いつつ、病んでいるところに充分に光が注がれ、芯まで光が満ちるように想念します。ひたすら病が光のもとにさらされればいいのです。

早起きして太陽の光を浴びると体のリズムが整います。反対に朝寝坊や夜更かしの多い不規則な生活を続けていると生体のリズムが乱れてしまいます。その結果、何十年後かにセットされていたはずの時限爆弾のスイッチがONになりかねません。この時限爆弾というのは、人間の病気や老化に関係のある遺伝子のことです。人間の寿命や将来の病歴を知っているのは、その人自身がもっている遺伝子です。このスイッチが入らないような機会として最大のポイントが、早寝早起きして朝日を浴びることなのです。

朝日の波長を浴びると、網膜を経て視交叉上核から松果体へ通じてメラトニンというホルモンの分泌が調整されます。メラトニンは時間ホルモンと呼ばれ、このホルモンの濃度が人間においては時計の針の役割を果たします。人間の脳の中枢は一日約25時間の時を刻む遺伝子によって作動しています。しかし、太陽の運行は一日24時間の周期をもっており、両者の間には約1時間のズレがあります。このズレを調整するのが、目から入ってくる光の刺激なのです。これによりメラトニンの分泌などの調整をし、自然とのリズムとの「時差」が生じないように、各細胞の時計遺伝子に命令を出しています。早朝の太陽光を浴びると、まるで腕時計の針を正確な時刻に合わせるように、生体リズムが地球の自転に同調するのです。

また明け方から朝にかけての時間帯は、副交感神経から交感神経との優位性が逆転します。目覚めに備えて、交感神経の働きを強めるカテコールアミンというホルモンが体内に増えてきて、その結果、心拍数、血圧、血流の粘度が急速に上昇します。この時に心筋梗塞や脳梗塞が発病するケースが多く、気管支喘息の発作も多いのです。免疫力も低下します。早朝の太陽光を浴びるとこの両神経の交替がスムースにいくのです。朝日を浴びて生体リズムを整えることは大事なことです。

インド医学のアーユルヴェーダでは松果体は生命力の中心であり、七つのチャクラの最高位に位置している頭頂のサハスラーラ・チャクラにあり「完全なる休息と調和に至る門」と呼ばれています。この松果体から分泌されるホルモンであるメラトニンの働きは不眠症や時差ぼけを解消してくれるだけでなく、脳下垂体内で他のさまざまなホルモンの分泌を促進するマスターホルモンとして活動しています。それらのホルモンは分泌された後、肉体機能の調整にあたっています。メラトニンは心臓発作や脳卒中から身を守り、血液内で白血球の交替の生産能力を高め、体内のあらゆるところで細胞抗酸化剤として活動して細胞を活性酸素から守ってくれるという機能があります。自然との調和を図り、体内リズムを整えること、日々の生活の中で落ちついた心の状態になれる時間をつくりストレスを抱え込まない方法を見つけることは、現代生活を健康に過ごす上で大事であります。        

1995年から96年にアメリカ、ヨーロッパで不眠・老化防止ホルモン=メラトニンとして大ブームを起こしました。この脳内ホルモンであるメラトニンは松果体だけでなく、実は腸からも大量に生産されています。発生学的には消化管は脳の元祖であり、内分泌学では消化管ホルモン(腸脳ホルモン)として20種以上を発見しています。脳内の神経伝達物質であるセロトニンは腸内にも存在し、全体の90%が腸内に存在しているといいます。腸は脳の指令がなくても状況に応じて、解毒作用を行ったり、肝臓や膵臓等の器官に指令を出したりと適切な処理方法を決定しています。腸のトラブルはこの独自の判断能力を狂わせることになり、ほかの体内システムに影響していくのです。

小腸は最大の免疫器官であり、多くの免疫細胞が集中し、免疫防御の機能を果たしています。この腸管免疫系の活性に大切なのは、腸内細菌です。腸内細菌の働きは非常に多ぎにわたり、例えば解毒作用があり、有害物質をブロックするので、肝臓での解毒の負担を軽減したり、解毒能力の向上にもつながります。つまり腸の働きが悪くなって解毒能力が低下すると肝臓を悪くして、それが連鎖的に心臓や呼吸器系にも悪影響を及ぼすことになります。外界から侵入した細菌や毒素を腸内で排除し、免疫力、自然治癒力を高める、化学物質や発ガン性物質を分解する、抗生物質による副作用を抑える、消化・吸収・代謝システムに携わる、ビタミンを作り出す、5000以上の酵素を作り出す、腸の運動を促進して便秘を防ぐなど重要な働きがあります。私たちの腸内には100300種、100兆個の細菌が棲みついています。何と重量にして11.5㎏になるといわれます。体内におけるもう一つの生命現象(腸内環境)であり、人間の生命活動に不可欠な存在である腸内細菌、彼らが人間の健康を左右しています。

一日一杯の青汁だけで数十年生きている女性(鍼灸師)がいます。彼女の場合は、病気治しから食養の道に入り、断食・少食健康法で有名な甲田光雄氏に師事しました。長年のこの食事から牛の腸内細菌に似た状態になっていました。タンパク質を摂らなくても、腸内細菌がアミノ酸を合成してくれる、そういう特殊な腸内環境をもった体となったのです。体つきもふっくらとしています。

太陽光の紫外線は皮下脂肪中に存在する不活性のプロビタミンDを活性ビタミンD3(コレカルシフェロール)に変化させます。ビタミンD3によって小腸粘膜でカルシウム結合蛋白が作られます。これが食物のカルシウム分と結合して、ここで初めて人体にカルシウム分が吸収されるのです。吸収されたカルシウム分は心臓から骨髄に送られます。カルシウムが骨髄に送られると新鮮な血液がどんどん増える作用(造血作用)が起こるのです。朝日を浴びること、運動をして(骨に負荷がかかって骨にカルシウムが身につく)血行を良くすること、それと腸の状態をよくすることが大事です。

胸椎1112番辺りの位置の腹腔部(鳩尾の奥)に太陽神経叢があります。ヨーガではマニプラ・チャクラと呼んでいます。頭部の間脳と同様、ここは自律神経のセンターであり、消化器系統(胃腸)と密接に関係します。鳩尾は重要な急処であり禁点(亡くなる四日前に硬結が出る)となっています。鳩尾は丹田とのバランス(虚実)が大事です。

太陽プラーナで太陽神経叢を活性化する

午前中の太陽に向かって自然体で立ちます。左を額前に置き掌を太陽に向けます。右掌は鳩尾の太陽神経叢に当てます。左掌で太陽の気(プラーナ)を採り入れ、右掌で太陽神経叢に送ります。最後に左掌を下丹田に当て、行気をします。

9年前のことですが、テレビを見ていたら40年飲まず食わずの人間がいるといいます。82歳の男性ですが、テレビモニターをつけた室内での2週間の実験では洗顔や入浴はしたが、確かに飲まず食わずで過ごし,排泄もしませんでした。2週間の観察では真偽はわかりません。結論として言っていたのは、日光からあるエネルギーを得ているからだろうといい、地球が食糧危機に陥った時、食べないで生き延びていく何らかの対処の一つの方法として今後も研究していくと言っていました。光エネルギーを植物を食べることによって得るエネルギーの代わりに如何に体内の生命エネルギーに変換するかということでしょう。この点は興味あることですが、この延長線上には不食、不老不死の考えがあります。肉体には廃用委縮という法則があります。使わなければ機能が委縮していくから、長い間飲食しなければ、その関係のすべての臓器や酵素が働かなくなり何らかの支障をきたすことは容易に考えられます。

古代エジプトに起こった錬金術は近代化学の基礎が作られるまで全ヨーロッパを風靡しました。卑金属の金、銀への貴金属への変化、不老不死の万能薬の製出を試み、賢者の石(万能の物質)を探し求めました。古来も今も「不老不死」は人間の渇望というべきものでありましょう。

植物は光合成(太陽エネルギー→生命エネルギー)によって光エネルギーを吸収するのがクロロフィル(葉緑素)という物質です。これによって有機物である糖を作ります。地球上の大部分の生物はこの葉緑素の力で生命を維持しています。この葉緑素の化学的構造は動物の赤血球の中の血色素(ヘモグロン)と同じです。すなわち葉緑素と赤血球は「ポルフィリン」核を母核とする物質です。従って葉緑素は血を作る原料として体内に吸収されるということで、消化管造血(腸造血説)と関係してきます。ただ中心元素が葉緑素がマグネシウムであるのに対して血色素のそれは鉄です。この中心元素を替えると葉緑素から血色素に変わるということです。青草に含まれる葉緑素が腸で吸収されて肝臓に運ばれ、ここで壊され黄色のビリルビン(胆汁色素)となり、胆汁として十二指腸に出ます。このビリルビン色素は再び腸から吸収されるが、このとき腸粘膜の絨毛組織に分布する鉄を取り込んで赤い色素に作り替えられ、この血色素をはらんで赤血球が誕生するというのが概要です。かの有名なクレオパトラは若さと美貌を保つため高価な真珠を酢に溶かして毎日愛飲したと伝えられるが、この真珠の正体がポルフィリンです。

鉄は強磁性体であり、大量の鉄を持つ人間の脳は、地磁気を始め特に太陽黒点の磁気をキャッチする磁気センサーの役目をします。眉間の奥にある松果体が磁気センサーであり、掌の中央からも磁気が放射されます。太陽磁気をキャッチして人間はこのように頭脳的進化を遂げました。現在はさらに変化のプロセスの段階でさらに意識の進化、宇宙意識への目覚めが起こるであろうといわれています。太陽プラーナは間脳を活性化させ、脳の古皮質に変化を起こさせて、潜在能力を目覚めさせます。間脳には心を発現させる最高の脳機能と、自動的な感覚と運動の機能があるといわれます。身体の神経組織が強化され、血液循環が良くなり、体内の老廃物が排出されて、肉体的にも健康になります。太陽の光には人間の免疫系を強化し、病気を治癒する力があります。つまり人間の身体を構成している微細エネルギー系を目覚めさせます。光の粒子からなる肉体にとって、太陽の光は営養素そのものです。   

いつの時代でも太陽がもたらす最大の恵みである光が圧倒的なエネルギーとして人間を照らし出し、生命を吹き込んできたことは変わりありません。光のエネルギーの効果を本能的に自然に受け止め、無意識に太陽浴療法をおこなってきました。東洋においても、インカ、マヤ文明においても同じです。太陽は最もベーシックに信仰の対象とされてきました。それは光こそが生命を与える根源であったからです。

仏教界からは空海、最澄、法然、親鸞、日蓮、栄西、白隠、道元とか多くを輩出しました。神道界からは不出世の神人といわれた黒住宗忠がいます。幕末にいろいろな教派神道が生まれましたが、その先駆けとして黒住教があります。一種の神道ムーブメントが起こった時期です。宗忠は日常的にイエス・キリストを彷彿させる数々の奇跡をおこないながら、「何事も心次第」という天風哲学(中村天風の心身統一道)に通ずる生命哲学を説き、良寛のような無欲な生活をした人物です。私が宗忠に関心を持ったのは、日拝の積極的な先駆者だからです。労咳で病床だった宗忠は日の出の太陽を拝むようになり、ある日、お日様のご神気の塊が慧星のようにドーンと体内に入るという後に「天命直受」といわれた神秘体験をしました。ここに神人一体の境地が大きく開けていったのです。日蓮は「明けの明星(金星)」をのみ込むという神秘体験をしていますし、現代でもエイトマン作者の桑田二郎氏、ホリスティック医学協会理事の寺山心一翁氏などが体験しています。これらは眉間のアジナーチャクラの活性と関係するようです。宗忠はまじない(禁厭)でヒーリングを行い、黒住家は門前市をなしたといいます。日常では日拝=ご陽気修行を勧め、「有難い」を連続して唱える感謝の行(潜在意識の浄化)、笑いの行(心の開放、自然治癒力を高める)、常祓いの行(心の曇りをきれいにする)を勧めました。斎藤一人氏の「ついてる、ついてる」と何万回も唱える方法とか、「ありがとう、感謝します、おかげさまで」という現代的な言霊(ことたま)のすばらしさなど再評価されています。笑いやユーモアによって癌患者や難病患者の痛みの軽減に効果をあげている「生きがい療法」は宗忠の出身地に近い倉敷の柴田病院でされていて、世界的に有名になりました。私は平成4年に岡山の神道山、黒住教へ日拝を体験したくて行きました。日の出を待って、大祓を奏上して最後に陽気をむしぐさをするものでした。日拝所はとても素晴らしいのですが、日拝法は物足りなさを感じました。  

向陽服気功

太陽に向かって自然体で立ちます。胸から倒すように前屈して、手をブラブラさせます。息を吸いながら上体を起こし(骨盤から)、両手を広げて上げていきます。頭上で親指人差し指をくっつけて三角形を作り、天を仰ぎ止めます。1/3だけ吐き、頭の邪気を払います。1/3だけ吐き、胸の邪気を払います。1/3だけ吐き、腹の邪気を払います。息を吐き切りながら下肢の邪気を払いながら前屈し、手をブラブラさせます。しばらくリラックス。息を吸いながら上体を起こし、両手を広げ太陽の気(プラーナ)を吸収します。それを丹田に送り込み充電します。これを3回行います。

日拝法

早朝(日の出)、西の空に向かって、みそぎの呼吸で邪気を吐いていきます。東に向き直って、日の出を迎えます。そして、太陽エネルギーと一体になると観想します。八咫鏡の印を結んで太陽をみつめながら、十言の神咒「アマテラスオホ()ミカミ」を唱えます。八咫鏡の印が疲れたら鎮魂印に変えます。連続して唱えていく場合は、アマテラ、スーで口をすぼめて太陽の微粒子(プラーナ)を吸っていきます。続けてオホ()ミカミアマテラと唱えます。(呼気)オホ~ンはミで腹に息を落とす感じで行います。5分程度続けるとよいようです。続けて大祓祝詞を奏上します。

陽気導引の呼吸法  

太陽に向かい自然体で立ちます。喉から胃にかけて開き、パイプ状にイメージして、「はあー」と邪気を吐いていきます。少し前傾重心を落とし共に手を押し出すようにし、邪気を一気に吐き出します。軽く肛門を閉じ、お腹を絞って完全に吐きます。太陽プラーナ(陽気)手ですくって口まで運ぶように導引します。口からゆっくり陽気を採り込み、息を吐きながら丹田まで導き止息、同時に手も下げていき、自然体にかえります。10回繰り返し、最後に陽気を唾液と共に呑み下します。

 

 

 

養生革命         

太陽健康会。・道報第181号 平成3011日 03-5926-5803      

東京都板橋区大山金井町7-16 HP・太陽健康会で検索

謹んで新年のお慶びを申し上げます 皆様の身心魂のご健康をお祈り致します 

養生とは生命の働きを養うことです 革命とは生命を輝かせることです

養生革命とは生命が喜ぶ生き方を全うしていくことです                                    

本年も養生実践し「日々是好日」朗らか健やか和やかでいきましょう

養生訓に曰く「楽しみは人間の天性であろう それを楽しまないで天地の理にそむくわけにはいかない たえず養生の道に従って欲を自制して(欲を超えて)楽しみを失ってはならない 楽しみを失わないことは養生の根本である」

本年もどうぞよろしくお願い致します        2018年元旦  高島達也

■健康とは何だろう ⑫ 

気功家の津村さんは著書「快脳気功」の中で、健康の定義について次のように述べています。(⇒部分は高島)

自分のからだと対話でき、からだのいいぶんに耳を傾け、からだの内部からの快感にしたがっていける人は健康である。(⇒からだの感性を育てていこう)

自分のしたいことを力のかぎり楽しんでやりつづけ、疲れず、わずかの休息で回復し、与えられた時間のなかで自分を実現しつづけるために、あらゆる機会を活かそうとする人は健康である。(⇒いきがい、やりがいがあれば、いつでも溌剌となれる)

自分にこだわらず、自分の知ったことにもこだわらず、常に外国人のように外から自分とその習慣をみることができ、自分の社会をエイリアンのようにみつづけられる人は健康である。(⇒こだわらないで生きてみよう、いつでも手放せる覚悟をしよう)

病気があっても、その病気の意味を育て、深めていける人は健康である。(⇒病気を嫌わないで、上手に付き合ってみよう)

森や山道に入ると細胞が喜びの声を上げ、木肌の手触りや鳥の声や吹きすぎる風に心躍らせることのできる人は健康である。(⇒自然と触れ合うことで、からだの自然性がよみがえる)

自分だけが健康になろうというのではなく、世界に不健康な人がいなくなっていくことを願い、地球を自分のからだで感じ、自分ができる範囲で世界を癒しつづけていくことで、自分を癒そうとする人は健康である。(⇒人のために無心でやっていると、自分が癒されていく)

以上ですが、なかなかユニークな考えだと思います。津村さんの言葉のよう理解できたなら、病気で悩んだり、苦しんだりということが少し軽減されてくるでしょう。こころが何だかホッとする感じがします。今までの健康という概念とは異なるものだと思います。津村さんの言葉は別面、こういう生き方をすると人生がもっと楽になるよ(⇒部分)、という提案だと受けとることができそうです。

古くは、健康とは病気ではない状態のことであり、運悪く病気になったら西洋医学の専門医に治してもらう、というのが常識だったと思います。1970年代に入り、いろいろな代替療法が見直されてきました。さらに1980年代になると、この古い常識は誤りであることにが気づき始め、ホリスティック医学協会が設立されました。今日では一般の人々の意識はどうだろうか?まだまだ「医学の進歩」という幻想に惑わされ、医療がすべてを解決してくれる、からだの事は医療に任せばよいという常識にとらわれている人々が大勢といえましょう。そういう意識の改革だけではなく、からだを育むという姿勢が大切かと思います。チベット医学では、自己と自己の生命に対する無知が病気・不幸の源であるといいます。からだを育むことによって、生命の智恵を得ていくとができるのです。からだを育むとは、生命力がイキイキと発揮できるようにからだを整えていき、いのちの根を肥やしていくことです。生命に対する信頼を回復し、生命の智恵を自他の進化のために使うことです。さて、ホリスティック医学とは何なのでしょうか。その定義を述べましょう。

ホリスティック(全的)な健康観に立脚する--人間を「体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもとづく包括的、全体的な健康観に立脚する。

自然治癒力を癒しの原点におく--生命が本来自らのものとして持っている「自然治癒力」を癒しの原点におき、この自然治癒力を高め、増強することを治療の基本とする。

患者がみずからを癒し、治療者は援助する--病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも「養生」が、他者療法よりも自己療法が基本であり、ライフスタイルを改善して患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療の基本となる。 

さまざまな治療法を総合的に組み合わせる--西洋医学の利点を活かしながら、日本をはじめ、中国、インドなど、各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、食餌療法、運動療法、民間療法などの種々の療法を総合的、体系的に組み合わせて、最も適切な治療を行う。無理のない、できれば最小限ですむ、できるだけシンプルなやり方の方がよい場合が多い。 

病への気づきから自己実現へ--病気を自分への警告と捉え、人生のプロセスの中で、病気を「気づき」の契機として、より高い自己成長・自己表現を目指していく。

病気というのは、間違った生活習慣からくるものだということは認知されるようになりました。(自分の心と生活に原因をみる)便利と欲望(お金・食・性・執着)の生活に慣れてしまった現代人には生活を改めるということは難しいようです。西洋医が自然治癒力を認めようとしないのは可笑しな話ですが、その自然治癒力の発動は生活の仕方、心のあり方と深く関係しているのです。この力は元々内在しているもので、その発動を阻害する要素を取りのぞき、働きを高めていくことこそ重要であります。また、症状即療法(自然治癒力の現れ)ということを悟り、からだ(生命の働き)への信頼を培うことは、さらに重要なことです。生命の精巧な営みに対する敬意と感謝、生かされている命を全面的に信頼することです。症状は抑圧しないで経過させること、からだ(反応系)を鈍らせないことがとても大事です。病気はからだからの警告を無視し続けた結果でありますが、それを契機に人間として成長できる道として付き合うことがよいと思います。治療に専念するということは、一般に現代医療中心の治療行為(=闘病)を意味します。むしろ、養生(食・息・動・想・環・生活・生き方を整える)に専念し、治療は適量にということが大切です。

人間の苦はいつの世も「生病老死」です。いつでも心を楽にして生きることができれば、これはとても幸せなことです。それには、日頃の養生が肝要なことです。「養生とはいつも楽々悠々として生くること也」は整体創始者・野口晴哉氏の言葉です。日々の行為を淡々とこなし、いつどんな時でも楽々悠々としていられる(確信)、そうして毎日が生きられることは、いのちを養うことであり、それが健康であるということだという意味だと思います。

人は重い荷を背負っていても苦にならず、悠々楽々、背負っていることもできます。久しぶりに会う人への「早く会いたい想い」が、重さが苦にならなくなる、またこの荷を山の上に運べば10万円儲かる。そんな理由であっても、重さが苦にならなくなります。人間は本来、楽々悠々と息し生きることができるんだ(人間は本来健康であり、それが自然である)ということを認めた上で、その工夫をすることが必要ではないか、と思うのです。いきがい、やりがい、趣味であったり、イキイキ、ワクワクできるような溌剌として生きていけるものを持つことです。それと感性を養うことです。何気ないことであったり、当たり前と思われることや小さな些細なことにも楽しみを見い出したり、感動したりできる感性です。嬉しい、楽しい、面白いなあ、という感動が日々の幸福感につながっていくのだと思います。朝気持ちよく起きれたことに幸せを感じる、朝日がきれいだなあ~と感動する、散歩をしていて一輪の花にああ~きれいだなあと感激する、こうして好きな本が読めることに幸せを感じる、ご飯がおいしいことに幸せを感じるなど、幸せの鳥は外にあるのではなく、我が内(素直な心・感謝の心・希望の心)にあるのです。そして、一日一日をつとめる。一日の幸福感を保つ工夫があればよいのです。それが10年、20年と年を重ねても、人生を楽しみながら元気に生きていく秘訣ではないでしょうか。

人間は楽々悠々として生きられる(これを認めること大事也)のに、人生に苦を持ち込み、イライラセカセカさせるもの、人間の自然を歪めるものは何か?と野口氏は問っています。その探求をしてみるのもよいでしょう。私たちはもっと楽に生きてゆけるのに、それを阻んでしまう様々な暗示(無自覚に縛られている)からの解放、それは重要な課題だと思います。

 

■養生の必要性 ① ※如何なるすぐれた療法であろうと「日頃の養生」があってこそ生きるものです

歌手の西城秀樹さんは今から9年前の48歳の時に脳梗塞を起こしました。現在57(平成24)歳ですが、昨年、12月に2度目の脳梗塞を患い、60歳で歌手を第一戦から退くと言っています。最初の時は倦怠感と顔の左側の歪みがあったそうです。運動障害はなく、言語障害で1年間はろれつが回らなく、顎の筋トレや舌の出し入れのリハビリを続けました。2、3年は軽いうつ病であったとも言っています。通っていたジムで半年前から激しい運動をやるようになり、その後サウナに入り汗を流した。入浴後は水分補給の制限をしたそうです。そうして体に負担をかけたことがいけなかったと述懐しています。

2度目の時はめまいとふらつきがあるということで入院し、小さな脳梗塞が見つかりました。今回は片麻痺、歩行障害が出て、復帰はしたけれど、今でもリハビリ中であります。今回の発症で人生観が変わり、60歳過ぎは好きな芸術や病気の体験から医療・介護のリハビリの一環としての器具の開発に手を貸したい。そして限りのある人生を心のままに生きたい。また家族の絆、妻と子供たちの支えに本当に感謝だと言っています。

48歳での激しい運動、サウナ、水分制限は脳梗塞の発症に拍車をかけたことは、間違いないでしょう。しかし、その前に疲労の蓄積や過剰なストレスが下地としてあり、生活スタイルに無理があったのだろうと推測しています。西城秀樹という人間を演じ、幾重もの仮面や武装して生きている、芸能界とはそういうものでしょうから。最初の脳梗塞の後はリハビリだけでなく、いろいろと予防に充分氣をつけてきたらしいのですが、本人も何故?(再発)という気持ちだったようです。私はそこに「養生」というものが欠けていたからではと思うのです。

病気の本質はその人の気づきにあります。西城さんは死を意識するようになって、本心に触れたのでしょう。歌手としての西城秀樹には関心は無いけれど、その後の活動にはゆったリリズム励んでほしいと思います。

さて、現代ではほとんどの人が健康というものに不安をもっている時代で、而も健康を維持するためには、自分の生活の上で努力することだと理解しています。薬やメスで健康を維持することは出来ない、これらは病気になってから使うものであって、薬やメスのご厄介にならない為には、日頃からの養生が必要だということです。

現代病を代表する癌などは、癌という名を聞いただけで「死病だ」という恐怖に襲われるのが大多数です。現代医療の主役を演ずる医者は、癌は早期発見をして早期に手術すれば、何十%は治るなどと声を大にして叫ぶけれど、現実は癌で悩み苦しみ、末期癌に四苦八苦している人が身近に増えれば増えるほど、年間100万人以上という癌の死者がいる中で、人々は不安に駆られるわけです。而も一方では遺伝子レベルの進歩に従って、成人病(生活習慣病)、癌とか脳梗塞とか心筋梗塞などという病気は、決して一朝一夕に起こるものでなく、極端にいえばオギャーと産まれてから何十年かの間の生活のあり方によって、播かれた種子が芽を出して発病するのだということを明らかにしました。現代人の殆どはメスと薬の終点に行くまで、何とかそうならないような人生にしたい、という欲求が「健康」とうものを求める熱気になっているのでしょう。

「一に養生、二に薬」といわれますが、さて養生とは何なのか、といえば現代人は間違った考えをもっているようです。現代人の考えている養生とは、食養とか自然食品とか健康食品の「健康ブーム」に躍らされたものであります。そこに西洋の予防医学的な考え方が加わり、日頃からビタミンCを摂っていれば癌になりにくいとか、ビタミンEを摂っていれば動脈硬化が防げるとか、一方で古来の高貴薬の朝鮮人参とか何々という草根木皮的なものが癌に効くとか高血圧を治し予防するなどというようなものです。また運動することが大切だというと、日に何千歩歩けば健康にいいとか、運動を手軽に出来るような健康器具等の氾濫、手軽に集まって運動できるフィットネス・センターや健康のためのクゥア・ハウスとか○○クラブというようなものが、雨後の筍の如く増えて(は消えて)いっています。即物的で人工的な健康法とでもいうべきものです。

高血圧の素地(両親が高血圧)があって、それが怖いから高血圧の予防の薬を飲んでいるという50代の女性がいました。本人はそれで安心しているようですが、これは養生とはいえません。現代人は多かれ少なかれ、これに類したことをやって束の間の安心を得ています。予防が大事だ、と頓にいわれますが、予防医学とは、病気というものが難治であればあるほど、それを早期に発見し、極めて小さい芽のうちに人工的な方法でこれを補正し、除去して、発病を予防しようとするものです。予防と養生は根本的に方向が異なります。

では養生とは一体何なのでしょうか。私たちはこのことをはっきりと自覚する必要があります。

広辞苑によると、養生とは、生命を養うこと、健康の増進を図ること、衛生を守ること、病気の手当することとあります。元来養生という言葉は、東洋の古典からの言葉です。病気は天地自然の働きに対してバランスを破った状態であるから、そのバランスを回復する方法論が養生医学として発達してきました。つまり、天地自然の理法にかなうように、人間の生活の在り方そのものを、身体の運動、食事からセックスに至るまで改めることが養生法になっています。

詳しくいいますと「天丹法」「地丹法」「人丹法」に分けられます。天丹法とは築基法ともいい、天地の原理に合わせた呼吸法、運動法、あるいは刺激法があります。地丹法とは、食養法であり、大地が生み出すところのもので、食養生といわれるように重要な事柄です。人丹法とは性養生であり、日本では極めて未発達です。僅かに房中術として伝えられていますが、セックスのテクニックぐらいにしか捉えられていません。人間の性の哲学的な本質を説いたもので、天地自然の理法にかなった男女の性的関係に復元していく方法、すなわち性生活の改革が基礎になっています。

ある40代後半の女性は、亭主は性欲が強くて、毎夜のように求められて疲れてしまう。離婚したいと考えているといいました。更年期はむしろセックスレスが多いのに、魅力があるから求められる。良いのかと思えばそうではない。つまり一方的、独断であるということです。快感の伴わない惰性的なセックスは身体を壊していきます。同棲生活の中で、お互いの信頼を育てることを忘れてはいけません。

大脳の発達している人間は、性感の記憶と妄想さらに幻覚におぼれて、男女関係を歪めています。またお互いが満足のある性交、そして受胎。妊娠期間の過ごし方、その間の夫婦間の信頼の大切さ。自然なお産の仕方。これらの不信は胎児に重大な影響を与えます。

また中国古典によると「養生とは傷生なり」あるいは「養生とは死を迎えることなり」(送死)ということが述べられています。健康とか長寿ということだけでなく、逆に自分を傷めつけることも含まれていますし、人間の健やかに生き続けたいという願望に対し、安らかな死を迎えるためのものであるということです。送死とは死を天に送るということで、「贈」の意です。早く死のうが遅く死のうが天寿というものは、天命を全うして死を天に送る、こうして迎えた死には不安や恐怖が消えていくことを意味します。養生とは人間がそれぞれに備わっている天性とか天命を自覚して具現していく、そういう生き方が養生の道です。一身を顧みないで仏に仕える、といいますが、身を砕いて、身を粉にして(傷生)己の生きる道にハッキリとした一筋の道を徹底して追いかける、これが本当の養生だということです。またこれが人間が死を迎えるために、最も安らかな道だといいます。

楽あれば苦あり、苦あれば楽ありというように、人生とは矛盾というものを総合的に包み込んでいます。生きるとうことは、その裏に死というものと離せない関係であり、このことが知識として死は避けられないと分かっていても常に不安というものが人生に裏付けられています。明日死ぬかも分からないという不安が人々を襲うわけで、そこから逃れたいという欲望、そこから迷いが出てくる訳です。その迷いを払拭する整体の野口晴哉氏の言葉、「溌剌と生きる者のみ深い眠りがある 生ききった者にだけ安らかな死がある」生(天寿)を全うする、これは養生の極致です。

大病などで明日の死を自覚した時に心に転換が起こり、そこから人生観ガラリが変わった人の話はよく聞きます。自ら傷生して、本当に大切なことに気づき人生を豊かに充実させるものなら、これも「養生とは傷生なり」でありましょう。

 

野花たちとのコミュニケーション 平成26

今年の4月頃から、少しずつ野の草木の名を調べたり、確認し始めました。確認した野花等を挙げますと、4月はハナモモ(花桃)、カキドウシ(垣通し)、タチヤナギ(立ち柳)、ムラサキケマン(紫華鬘)5月はハナダイコン(花大根)、スイカズラ(吸葛)、キンケイソウ(金鶏草)6月はオオムラサキツユクサ(大紫露草)、クワ()、ムシトリナデシコ(虫取り撫子)、コウゾ()、ネムノキ(合歓の木)ナツツバキ(夏椿、別名・沙羅の木)、オニクルミ(鬼胡桃)、フサフジウツギ(房藤空木)、シャボンソウ(石鹸草)、アカツメクサ(赤詰草)、オニアザミ(鬼薊)センニチコウ(千日紅)等です。まだまだ名の分からない野花が多いものです。7月に入って広い河川敷の石畳みにポツンと紅一点、摘んで調べたところ千日紅でした。夏から秋までの長い間、紅色があせないことが由来だとか、ドライフラワーによく用いられるようです。花言葉は終りのない友情。昨年の今頃でしょうか、薄ピンクのカワラナデシコが2本可憐に咲いていたのを覚えています。その繊細な草姿と優美な花は日本女性(やまとなでしこ)に例えられています。

「撫子や 狂へば老も 聖童女」 福田蓼汀

「野桑熟れ 親指ほどの 円空仏」 吉田汀史    「地に落ちて 沙羅はいよいよ 白き花」 山口草堂

インターネットで調べるのも一苦労ですが、名が分かれば何だか気分もすっきりします。今年始めて作ったのは、桑葉茶、桑の実ハチミツ漬け、桑の実ジャム、コウゾ実ジャムです。特に桑ジュースはとてもおいしかったです。桑の効用については、前号で記しましたが、コウゾは知らない人も多いのではないでしょうか。

コウゾ()は古くから紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料を楮としています。楮の皮の繊維は、麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強く、その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となります。和紙のことを楮紙と呼ばれるほど、楮は和紙の代表的な原料だったのです。確かに枝の樹皮はするっと抜けて、切れないほど丈夫でした。実は赤く金平糖のような形で、食べてみるとヌメッとした食感で、同じクワ科であるくわの実ほどおいしくはなく、酸味もなく少し生臭いでした。ハチミツ漬けにすると、よく発酵して色素が抜け真っ赤になりましたが、思ったほどおいしい飲み物ではありませんでした。

河川敷の練功場所(氣功トレーニング場)に枝葉が垂れさがるような低木があって、気に入って最初はその木の下(枝葉の洞窟の様)で坐禅をしたことがありました。45年前からすれば、随分と成長して大きくなりました。昨年ぐらいから花が咲くようになったのですが、別に何の木かは関心がありませんでした。今年もたくさんの花をつけ、たくさんのミツバチがその蜜を吸いに寄っています。桃のような甘い香気がして、何だか落ちついた気分になる木だと思って調べる(6/22)と、ねむの木(合歓木)でした。周りを捜してみると、5本見つけられました。宮城まり子さんのねむの木学園は知っていたのですが、名がわかるとより親しみが湧いてくるものです。花言葉は歓喜、胸のときめき、想像力で夏の季語です。夜になると葉が閉じること(就眠運動)に由来します。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものです。合歓とは男女が共寝すること、喜びを共にすることを表します。観賞用の他に、街路樹としても使われることがあります。また害虫駆除、鎮痛、家畜の眠解消の効果があるとされます。樹皮にはタンニンが含有され、打撲傷に効能があり、飼料などにも利用されます。中国医学ではネムの花を生薬として用います。性は平、味は甘であり、精神安定や不眠解消の効果があるとされます。ネムノキの前で站椿(タントウ=立禅)していると、花の香気が身体を包み、とてもおおらかで落ちついた、ふくよかな気持ちになります。確かに精神安定にはいいかもしれません。ミツバチたちは蜜を集めるのに一所懸命で、傍にいる人間のことなんて無視しているので、近くでジィッと立っていても大丈夫です。        

「花合歓に 夕日旅人は とどまらず」 大野林火   「どの谷も 合歓のあかりや 雨の中」 角川源義

見ているようで見ていない、今まで気にも留めていなかった植物の名が分かることは、その存在を認めることです。視野が広がり、多くの存在たちと共にあるという感覚になり微笑ましい気持ちになります。傍で見ているだけで飽きませんし、葉や花の形とか匂いをよく観察するようになりました。小路を散策するのも楽しいものです。花だけでなく、いろいろな虫たちも生息しています。小学制の頃、お寺の縁の下で蟻地獄(ウスバカゲロウの幼虫)でよく遊びましたが、それが練功場にたくさんあって、ついつい手をだして遊んだりしています。4月頃にはハチが多くみられますが、昨年、練功場で3㎝はある結構大きい丸まるしたクマバチに取り囲まれて難渋したこともありました。彼らは温厚な性格らしいのですが、その大きさとブ~ンという羽音には怯みます。ちょうど目線の高さでジィッとしていて、こちらが動くと彼らも動く。5m間隔ぐらいで遠く先まで彼らがいるわけです。目に見えるだけで100匹ぐらいでしょうか。30分ほどハチと面して練功しましたが、集中できなくて何とか隙を見て帰りました。

新緑の頃は、草木の勢いを感じ、傍を歩いているだけでエッセンスを吸収し元気になります。ハイキングをすることは単に運動という意味だけでなく、森林浴という言葉があるように樹木の出すフィトンチッド(香気物質)を浴びることが健康にいいということです。紅葉の頃のハイキングもいいものです。

「待つものの 静けさにゐて 蟻地獄」 桂信子      「蜂の尻ふはふはと針をさめけり」 川端茅舎

「新緑の 枝混じり合ひ 許し合ふ」 保坂リエ

氣の合う樹木の前で入静(瞑想状態)すると、氣の交流が始まりそのエッセンスを吸収して疲れもとれ元気になります。樹木にはそれぞれ薬効があって、草根木皮を飲むのではなく、入静になった時に氣の作用で効き目があるのです。例えば、ヒノキは性微温、帰経腎・肝・肺。老化を防ぎ、足腰を丈夫にし、元気をつけ、髪の毛を増やしたり黒くしたり、耳や目をよくする。リュウマチにもよい。老化、過労、過度の性生活による足腰の脱力感や痛み、インポテンツ、若はげの効果があります。イチョウは、性微温、帰経肺・脾。元気を出し、呼吸器、胃腸を丈夫にし、咳を止め痰を切る。精神安定、利尿、胃腸虚弱、心身症にいい、あります。森とは薬箱のようなものです。また樹木療法というのがあって、自分の生涯に出会った印象の深い木を絵にしてもらうということから始めて、戸外に行って話の出来そうな木に向かっていろいろ話をしてカウンセラーをしてもらうというものです。

フラワーエッセンスとは水に転写した花のエネルギーが身心を癒すというもので、日本でも自然療法に携わる人たちに受け入れられています。ホメオパシー(同種療法)と同じく、一種の波動療法といえます。ホメオパシーとは、ある症状を引き起こす物質を水で薄め(物質成分が全く検出できなくなるまで希釈する)て、毒性をなくしてから摂取する治療法です。フラワーエッセンスは「太陽注入法」で作られます。よく晴れた朝、手付かずの自然の中で自生し、満潮に咲き誇っている花を選ぶ。花に直接手で触れず葉の部分から摘んで、新鮮な水を入れた透明な器の中に浮かべて、太陽に光に当てる。4時間後に花を丁寧に取り除き、保存のためにブランデーに入れてから特別な湧き水で希釈する。作り手は、このプロセスを通して、花が呼び起こす感覚や感情を体験し、花に感謝の気持ちを捧げることが大切といわれます。

朝の河川敷の小路を歩いていると、野花たちがフッと語りかけてくれているように感じることがあります。言葉をかけたり、ソッと触れたりしていると何か氣が通じるようです。植物が感情を持ち、意思を持っているという研究は産業応用されるまでになっていますし、樹木が互いに複雑な情報を交換しあっているということがいわれます。飼い犬や飼い猫に話しかけて、通じたとしか思えないということは誰しも経験あるでしょう。イルカやクジラと対話するという試みもされています。オーストラリアのアポリジはドリーミング(入静で万物一体の境地になる)の状態でイルカと話すということが既になされていました。これらの異種間のコミュニケーション、樹木や草花と話すというのもドリーミングの状態になれば可能なのでしょう。スコットランドの北の果にあるフィッドホーンをはじめ、世界には自然の精霊と交流する人たちがたくさんいて、さまざまなメッセージを発しています。精霊とは、自然の命のエッセンスであろうと思います。人間と自然は一体であるいう概念はあらゆる伝統文化では当然のこととして受け止められていますが、環境破壊がすすんでいる今日、エコロジーを単なる技術的な問題にだけにしないで、真の意味で如何に自然との共生を実践するか。これには人間の内面的な成長が大切であり、地球の在り方と人間の生き方の調和の問題なのです。他者(動植物)との対話関係の深化という姿を通して、自己の内部の隠された未知の可能性が触発され、それが世界の生き生きした関係や自己の異なるあり方を発見し、生き方が変わってくるのです。

 
 

■枇杷の葉療法について  平成22

会員から枇杷葉療法について時折、質問を受けますので、その療法について記します。第3号で枇杷葉エキス療法について書きまたが、もう9年以上前になりますので、ここでそれも含めて勉強しましょう。

巷では枇杷の葉は癌に効くといわれています。それは枇杷の葉にはアミグダリン(ビタミンB17、今はビタミンから外されている)が豊富に含まれているからだといわれています。アミグダリンは果実の実や仁の中に多く、杏の種は特に多く含有されています。梅、桃、りんごの種そしてアーモンド、プルーン、プラム、サクランボやその種、水ぜり、アルファルファ、竹の子、雑穀では稗、粟、高粱、蕎麦の実などです。そして枇杷の葉ですが、葉よりも種の方に多く含まれています。

アミグダリンの化学成分は微量のシアン化合物(青酸配糖体)です。アミグダリンそのものには毒性はありませんが、エムルシンという酵素によって加水分解されると、ベンズアルデヒドと猛毒のシアン化水素(青酸)を発生します。アミグダリンはガン細胞に対する抗ガン作用、正常細胞に対する活性化や鎮痛作用があるとしています。大阪のある病院では温熱療法(ハンパーサーミア)、遺伝子治療、ハイパーTNK療法とか、多くの中の一つの治療法としてIPT療法といって、アミグダリンをガン細胞により多く取り込ませる治療法を行っているところがあります。しかし米国国立癌研究所によると、アミグダリンのガンへの治療や改善、延命に対し効果なしといっています。サプリメントでは多くの健康被害がでているとして現在、販売禁止になっています。またアミグダリンはビタミンB17としては扱われたのは過去のことで、今は否定されています。 

では枇杷の葉療法が危険だとか効果がないということではありません。有効成分であっても多量にとることは危険です。多く摂ればそれだけ効くという発想自体が間違いです。これはサプリメント全体にいえることです。あるブログでは「アミダグリンたっぷりの枇杷ジャムをどうぞ」というタイトルがあったりして、ちょっと困惑してしまいます。枇杷の葉の効用をアミグダリンのみに帰着させてしまうのはどうかと思います。

シアン化合物は時間が経つにつれて分解され毒素が消えていくので、成熟した果物等はほとんど問題なく生食されています。ただ種()のシアン化合物は時間が経ってもほとんど分解されないで残っているから、生食はいけません。(核のシアン化合物の含有量は梅3.2%、杏8%、枇杷2%、豆類0.005%という)茹でる、揚げる、炒める等の加熱処理やアルコールに漬ける、砂糖漬け、ハチミツ漬けなどにより毒素を処理できます。

枇杷の葉療法は仏教医学として発達してきた民間療法です。枇杷の木を大薬王樹といい、葉を無憂扇(むゆうせん)といいました。「憂いを無くす扇」とは何と粋な言葉でしょう。古くは、枇杷の葉を炙って直接皮膚を擦ったり、指圧したりする方法であったろうと推測しています。明治17年に今までの皇漢医学(漢方医学)が廃絶されて、ドイツ医学が台頭していくのですが、一方で民衆間では様々な民間療法の百花乱舞の幕開けとなりました。その中に枇杷葉湯や枇杷葉温灸療法もありました。枇杷葉温灸は皮膚を通して行う青酸療法として紹介もされました。

昭和に入って、アメリカ医学が急速に発達してくるにつれ、民間療法も下火になり忘れられてしまいました。新薬による恐ろしい副作用や医療過誤、食品添加物や農薬、合成洗剤などの害が次々に広がったのが、昭和の40年代ですが、この辺りから自然回帰の運動が起こり始め、害のない自然療法、民間療法などが復活し始めました。その中に枇杷の葉温圧療法もありました。そして今でもその枇杷の葉温圧を普及する健康会は活動しております。枇杷の葉とモグサ(温灸)、それに指圧の相乗効果があるとして、東城百合子氏(あなたと健康社主幹、家庭でできる自然療法の著者)も推奨しております。初心者向けに枇杷葉温灸療法のセットの販売もしています。(一万円程度)この療法だけで癌や慢性病が治るとかいうのは早急な考えですし、食など生活全体を見直して取り組んでいく必要がありますし、何よりも根気よく続けていくことが肝要です。

手軽さからいえば、枇杷の葉エキス(後述)を作っておけば、いろいろと活用が利いて便利ですから、当会でも奨めています。枇杷の果実を食べ終えたら、種を庭の片隅で撒いておけば簡単に芽がでます。3~4年で1mくらいに生育します。枇杷の木は縁起が悪いという伝え(俗説)があります。昔はお寺に植えてあって、病人が枇杷の葉を求めて行列になったということから、病人ばかりが集まるから縁起が悪い木となったようです。家を買ったら、庭木として東南に植えるという地域もあります。常緑樹でほうっておいても伸びる生命力が強い木ですから、土地の養分を吸い取るし、湿気を好むことから庭木としては好まれなかったのでしょう。

≪枇杷の葉療法≫ 古典的療法

枇杷の葉の濃緑の厚い葉(新芽より古い葉がよい)を布巾で拭き(洗わない)、光沢のある表面を焦げない程度に火で炙り(火鉢、ストーブ、電熱器)、二枚合わせて両手で十回ほど摺り合せ、これを一枚ずつ手に持って、始めは腹の臍下に当て一か所を十回ほど強く押しては撫で(押し揉み)、また次の場所に移動して同じように押擦しながら下腹全体を押擦する。次ぎに鳩尾周辺を押擦する。腹だけで6~7分、葉も5,6枚取り換える。取り換える都度、二枚摺り合せて炙る。腹の施療が終わったら、背骨を中心に両側、肩、腰、お尻と押擦する。10分くらい。

これまでが全体療法であるが、次に局所療法に移る。例えば肺病なら胸の全面全体を押擦、肝臓病なら右肋骨部の肝臓部をよく押擦する。これは古典的な枇杷の葉療法である。

「本草綱目」(中国の本草書、漢方薬、薬学の史料、明代・李時珍が集成した。1596年。1604年には日本に伝来)では「凡そ採取したならば、秤(はか)って湿葉(生葉)の重さ一両、乾かしたもの三両で重さ一両ならば、気が充分にあって用いるに堪える。嘔吐の止まぬもの、産後の口乾、煮汁を飲めば渇疾に主効あり。肺気熱嗽および肺湿瘡、胸、面上の瘡を治す。胃を和し、気を下し、熱を清し、諸毒を解し、脚気を療ず」とある。

≪枇杷の葉エキス療法≫

枇杷の葉は濃緑の葉肉の厚い葉を採取する。葉の表裏をよく洗い、よく拭きとり、水気がすっかり切れるまで乾かす。ハサミで34㎝幅にザクザク切り落とす。35度の焼酎1.8ℓに対し刻んだ葉を120g入れる。葉は浮かないようにする。冷暗所に置き、34週間立ったら、葉の上下を入れ替える。冬場は3ヶ月以上、夏場は2ヶ月以上置いた方が成分は安定する。葉がすっかり茶色になったら取り出して、エキスだけ保存する。エキスの色は濃い茶色になる。

≪エキスの利用法 殺菌力、炎症を鎮める作用

エキス吸入法--市販の吸入器を使う。エキスは濾してから48倍に薄める。気管支炎、扁桃腺炎、咽頭炎、肺結核、喘息、肺癌、咳、痰等

うがい・点鼻法--エキスを48倍に薄める。扁桃腺炎、咽頭炎、喉頭炎、鼻の奥が乾いて痛む等

エキス塗布法--口内炎、歯茎の炎症、喉や腫れや痛み、虫さされ、擦り傷、深爪等、外耳炎ではエキスを浸した脱脂綿を耳に入れる、女性の膣炎、薄毛にパッテングしながらすりこむ、魚の目、水虫、火傷

エキス温湿布法--45倍に薄めて、ネル、タオル等に浸し、その上から温コンニャクで温める。おしぼりタオルを熱いお湯に浸し、適当に絞り、これにエキスをふりかけて患部を温める。肝臓、腎臓、胃腸、生理痛などや首、肩、背、腰のこりや痛み、神経痛やリウマチの痛み、捻挫や打撲のなどと何にでも応用できる。

その他--保健として毎日盃一杯のエキスを34倍に割って飲む。

≪枇杷葉の煎じ汁≫

枇杷葉湯(ようとう)といって、かつて江戸の夏の風物詩だった。夏負け、暑気あたり、食中毒、大腸カタルの予防に親しまれていたという。利用も広く、枇杷葉茶として常時飲用すれば、健胃整腸、肝臓機能促進などによい。うがい、点眼薬、点鼻薬、洗眼、洗顔として。切り傷、虫さされ、かぶれ、アトピー性皮膚炎、日焼けや火傷等につける。お風呂に入れれば、アセモ、タダレ、湿疹、皮膚のトラブル全般によい。トロミが出るほど煮詰めたものは変質しにくく、効果も高い。使い方を工夫して、広く役立たせていこう。一般的な作り方は、葉の裏表をよく洗い、葉10枚くらいを45㎝にザクザク刻む。2㍑のヤカンに水を8分目ほど入れて、葉を入れて前の晩に78分煮たせる。翌日、もう一度火にかけて、煮立ったら弱火にして2030分煮だすと、紅茶色の枇杷葉茶が出来る。

≪枇杷生葉湿布≫

汚れをふき取った枇杷葉の表面を患部に当てて、その上からタオルで包んで適度の温度にしたゆでコンニャクを置いて温める。腰痛、腹痛、神経痛、リウナチ、内臓の痛み等。ゆでコンニャクの替わりに焼き塩(2合を炒る)を使ってもよい。

 

 

松葉酒作りにチャレンジしよう ① 平成20

巷に何万何十万種のサプリメントや健康食品などが溢れています。二、三百円の物から数十万円の物まであります。一般に健康食品と名がつけば高いのが相場です。「値が高いと効果が高い」という思い込みの錯覚を業者も利用しています。もちろん中にはいい材料を使い誠意をもって作っているところもあり、当然コストも高くなるのは当然です。しかしほとんどのサプリメントは必要がないものが多いし、サブリメント中毒ともいわれる弊害が起きています。本来は日々の食生活をキチンとすべきものであるのに、逆転してサブリメントで栄養を摂っているから大丈夫と日々の食生活を疎かにしている若者が多いようです。こういう人たちの行く末は、さてどうなるのでしょうか。健康食品の誇大な宣伝、芸能人を広告塔したテレビコマーシャル、商品を売らんがための体験談本など多い。私たちはこういったものを摂らねば健康になれないという暗示攻撃を毎日のように受けています。当然、健康不安を持っている人が多い現代人がとびつくのは仕方がないけど、あまりにも主体性がありません。私たちの身近にはたくさんの薬の宝庫があります。野草であったりハーブやフルーツだったり。理解が足らないとか、その活用法が分からなかったり、面倒がったり手間を惜しんでいます。今回、紹介する松葉酒は昨年の97号でも簡単に記しましたが、実際に作られた方はいなかったようです。こんなすばらしい療法をほったらかすのは勿体無いと思います。簡単に出来てお金もかからない、しかもすぐれた効果があります。5000円の松葉エキス粒より何倍も効果があります。

松葉や松の実は仙人食といわれ、不老長寿の薬でした。中国の古い書物(神農本草経、本草綱目)には、松葉は高血圧や動脈硬化、脳梗塞の後遺症による手足の麻痺、心筋梗塞、脳の老化(物忘れ、ボケ)などに著効があると述べられています。つまり、血管を若返らせて血液の流れを良くする効果があります。人は血管から老いるといわれます。成人病の多くは下地に動脈硬化がありますから、血管を若返らせて健康増進する松葉はまさに不老長寿の薬といえます。頭部の血行を促進することから、頭皮や毛髪に栄養が行き渡ることにより抜け毛を防ぎ育毛を促進する。関節痛、湿疹、かゆみ、打撲、低血圧、不眠症、食欲不振,膀胱病、動脈硬化症、糖尿病、リューマチなどにも効果があるといわれます。タバコの有害物質であるニコチンを体外へ排出する作用もあります。

松葉を半分に折って、折った方から口に入れて軽く噛み、かみ終えてか吐き出します。精神集中や歯の病気の予防になります。登山中の疲れや動悸の時には松葉を噛むといい。覚えておくといいでしょう。

松葉の成分は,松ヤニの青臭さの元になっている精油成分のテルペン類、クエルセチン、ビタミンC、葉緑素(クロロフィル)、食物繊維などです。テルペン類には血管を拡張して血流を良くする働きや血管の内壁に付着したコレステロールや中性脂肪を除去する働きがあります。さらに活性酸素を無毒化したり腐敗菌を撃退する抗菌作用があります。クエルセチンには血管壁を柔らかくして血流を良くするほか、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンを増やす働きがあります。これはハカマ部分にある松ヤニに多く含まれています。ビタミンCには血管が硬くなるのを防いだり、傷ついた血管を修復したり血圧を安定させる働きがあります。細胞が酸化するのを抑えるビタミンA、出血をふせぐビタミンk、血液を作ったり傷を治したりする葉緑素やミネラルの鉄、リンや体内の余分な脂肪や老廃物を排泄する食物繊維、そして24種のアミノ酸も含まれています。

このような松葉には優れた有効成分が含まれていますが、それらの成分が有効にかつ円滑に働けるのは松葉に含まれる酵素(体内の化学反応を促す蛋白質、熱に弱い)の助けを得ているからです。酵素が活性化して増えれば有効成分の働きは一段と盛んになり、血管を若返らせて血流を良くする効果を高めることが出来ます。その一番いい方法は発酵させることです。松葉酒は発酵によって酵素が増強されるので、有効成分の効果が格段に高められます。また活性化した酵母菌は腸内環境を整え、松葉の食物繊維やテルペン類との相乗効果で便秘を解消してくれます。全体として免疫力を高める効果があります。

松葉酒が出来る際の発酵を進めるのは松葉に着いている酵母菌(アルコール発酵する菌種の一つ)です。松葉酒を作る際に砂糖を使うのは糖を分解することによって発酵が進むからです。糖は酵母菌のエサと考えればいい。砂糖はミネラル分を含まない白糖がいいでしょう。砂糖の量を増やせばアルコール濃度を高くすることが出来るし、気温が高い時期に日光に当てる時間を長くしても発酵が進みアルコール濃度が高くなります。日本酒や焼酎程の度数にも出来る。いろいろと試して楽しみましょう。

≪松葉酒の作り方≫ 2㍑分  約1ヶ月分

〈材料〉生の松葉 47月の若い葉の柔らかい松葉の方が発酵しやすいが、どの季節のものでもいい。赤松(内陸部に多い)でも黒松(海岸線に多い)でもいいが、発酵の遅い赤松がお奨め。/300500㌘  砂糖/80150㌘  /1800ml 天然水とか湧水がいい。

 広口ビン2l用100円ショップにあるものでいい。

〈作り方〉

松葉(ハカマの部分をとらないこと)は水で洗って汚れを落としておく。それを半分に切り、広口ビンに入れる。ビンに松葉を軽く押し入れて一杯になる程度がいい。

砂糖80150gを入れ、水を9分目ぐらいまで注ぐ。蓋を閉め、振って砂糖を撹拌する。

晴れた日、日光に5日~2週間(一日34時間)当てて発酵させる。夏は短く、冬は長く日光に当てる。一日一回はにおい(酸味)と炭酸ガス(細かい泡が立つ)の発酵状態を確認する。炭酸ガスが発生するから蓋は軽く緩めておく。あまり長く当て過ぎると発酵が進み過ぎて酢のようにすっぱくなる。

④ある程度発酵させたら、暗い場所で置いておく。その状態でも少しだが発酵が進む。20日~1ヶ月置けば出来上がり。液 体が少し乳白色になりトロミが出てくる。表面に白っぽいロウ質状のものが浮き上がっているから取り除き、ガーゼで液体を濾して別の容器に入れる。この状態での松葉酒は12%程度のアルコール度である。(松葉サイダー)このまま置いておくとアルコール度は少しずつ進んでビール程度になる。残った松葉で2回目の松葉酒を作ることも出来る。そのまま又水と砂糖を入れるだけ。 

☆出来上がった松葉酒を台所の流しの下とか床下収納の暗い場所に長期間おけば熟成して味に深みが出る。34年も熟成させれば芳香の域に達するらしい?というが、松葉酢になってしまうようです。

☆一日に毎晩、盃に23杯飲むのが適量である。 

 

■松葉酒作りにチャレンジしよう  

松葉酒を作るにはまず松葉を採取しなければなりません。早朝ウォーキングしていると、松の木があるお宅がたまにありますが、勝手に取ってくるわけにはいきません。長淵の天祖神社から始まるハイキングコースは7,8回歩いたことがあるので、その山道にはあるかなと思って、昨年の11月に歩きながら探してみました。いざ探してみると全くないのです。探しながら天狗岩まで来てしまいました。天狗岩の先端に1本あることは知っていたので、ここで採取してきました。天狗岩まではここからノンストップで2時間かかり、松葉採りにそこまではシンドイかなと思い、練功場所である天祖神社で探してみたら、慰霊碑のある所に低木の松の木が1本、本殿の横の末社(摂社?)の後ろに大木の松が1本ありました。今はそこで採取してきています。天祖神社での練功は4年以上経ちますが、練功する前には境内とか階段の清掃をしていたので、その代わりといっては何だが、では頂戴しますと気持ちでもらってきています。

古くから松は神聖な木として考えられていたようです。松の葉が二股に分かれている様子から股(マタ)から転化してマツという名がついたという説があります。神がその木に天から降りることを待つという説もあります。(広辞苑)大和言葉では、マツのマはまめやか、マゴコロ(真心)、マサる(優る)、モノの直く優る意、ツは津で、モノのツヅまりツモル意であり、優れた直きものがびっしり集まっているものの意で松の葉の状態とその美しさから体用となったものです。言霊ではマは真理,神威、真実、実在の意でツは集まるという意でマツは神の威力が集まるということ。神社には大体、松の木があり、神霊の依代としての象徴としてあるのだろうと思います。大岩の崖淵の1本の松の木は山水画の絵になるような風景でもあります。日本にはクロマツ・アカマツ・ゴヨウマツ・ハイマツなどがあり、長寿や節操を象徴するものとして古来尊ばれてきており、庭木として松が植えられている家が多いようです。

神社の原型は神が降りるときに依る物としての依代(よりしろ)が必要であり、それが神籬(ひもろぎ)であり磐坐(いわくら)です。古代の磐座は神の降臨を迎え祭祀を行うため石で築いた神聖場所であり、山中の大岩や崖になっている岩石が多い。神籬は神霊の依り給う処として清浄な土地を選び、周囲には常磐木を立てて神座としたものをいいました。青梅の長淵から入るハイキングコースにある天狗岩は東に向いてあり、その先端に松の木が1本生えています。たぶん古代の磐座だろうと推測しています。秋の紅葉と気功ハイキングの集いのコースにしたいと思っています。

昨年末から作り出して、10㍑以上作っていますが、田舎の父が中風なので今年4月に5㍑持っていったり、他の方にあげたりして、自分が本格的に飲み始めてまだ1ヶ月半ぐらいです。のど越しがよく、食欲を増し、食前酒としてもいい。しかもおいしい。(おいしくできるようになった)仕込み方で味が異なり、寝かせるとまた味わいがでてきます。ニゴリ酒のように真っ白になったのもありました。(白いのは多分酵母です)ある方が作った松葉酒はシークワッサーのような柑橘系の香りと味がしたそうです。仕込みの松葉の量を少なくしたらしい。飲み始めて体調の変化としては、便通の切れがよくなり、蒸し暑い夏場には夏バテ予防、疲労回復剤にもなりました。胃がすっきりする。右親指の先の爪の変形も良くなりました。ここは肝臓に関係しているところで、肝臓の働きが良くなったということでしょう。短い期間だが、これだけの変化が見られました。

女性は閉経後、骨粗鬆症になることが多いから、その予防のために20年来良いと言われた高級なカルシウム剤を飲んできたが、のち骨粗鬆症になり愕然となった婦人がいました。あるテレビコマーシャルでは、加齢とともに軟骨成分であるグルコサミンが減ってきますとグラフで示し、(統計は企業の意図で都合のいいように操作される)階段をすいすいと上がったり降りたりして、こんなに良くなりますなんて印象づけ、みなさんもグルコサミンを摂りましょう、という宣伝があります。ここで皆さんに少し考えてもらいたい。こういったものを摂ったからといって身体の必要な所にちゃんと身につくのでしょうか?

栄養を吸収する所は小腸ですが、栄養物質は小腸の腸壁(腸管上皮細胞)の前で細かな分子に分解されてしまい、壁の向こうでは元の物質はバラバラで組み立てられることはありません。栄養の自己化するのは肝臓にあります。グルコサミンを摂ったからといって、それが傷んでいる軟骨を修復するなんていうのは早急な考えです。骨の成分であるカルシウムを多く摂ったからといって、身につかないのも同様です。例えば小魚、海草類、乳製品、豆腐、小松菜などカルシウムを豊富に含む食べ物と梅干しとかラッキョウ漬けなどの酸味のあるものと一緒に摂ると、カルシウムの吸収を促進する上、よく噛むと唾液のパロチンの作用によって骨に身につきやすいのです。また運動によって骨に負荷をかけること、お日様に当たることも必要で、単独の営養物質を補えばそれで大丈夫、という考えは捨てましょう。

大切なのは胃腸の働きを整え、腸内環境を良くすることです。日本の伝統食、和食、発酵食、少食を心掛ける、暴飲暴食を慎む、便秘をしない、お腹を冷やさない、よく歩く、早寝早起きする、リラックスする、薬はなるべく飲まないように等、このような日常の当たり前のことを大切にすることが先です。現代栄養学はカロリーとか栄養物質を摂ることばかりを強調していますが、一物全体食、身土不二とか摂るより出すことを考えよ、という食養の知恵は偉大です。少しの栄養からでも十分な栄養を吸収できるような、性能がいい身体作りも必要でしょう。生理学でいう錐体外路系の反射機能をトレーニングするのがいい。氣功はお奨めします。健康食品産業の宣伝催眠に惑わされないように注意しましょう。

松葉酒は簡単に手作りでき、費用もかからない。しかも優れた効果があります。発酵されたものは健康食といわれ、腸内環境をよくします。人間の腸内には100種、100兆個の細菌類が棲息しています。健康で元気であるには、この腸内細菌の働きが重要なのです。腸管免疫系に働きかけ賦活し(免疫力のパワーアップ)、発ガン物質を分解したり、ビタミン類を生成したりとか素晴らしい働きがあり、腸脳ホルモンの分泌も良くします。世界の長寿村には必ずそこの風土に根ざした発酵食があり、それが長寿の鍵ともいわれています。日本にも様々な発酵食品があり、味噌、醤油、みりん、酢、酒、納豆、梅干し、鰹節、甘酒,糠みそ漬けなど、世界広しといえども、日本人は器用に自然界の微生物を活用して発酵食品を作り、健康管理に役立ててきた民族も少ないようです。

今、世界的に高齢化が進む中で、理想的な健康食として和食が注目されていますが、その味付け基本になっているのが、味噌,醤油、みりん,酢、酒などの発酵食品です。しかしながら、現代の発酵食品は似非の物が多くて発酵食でなく、単なる調味料となってしまいました。発酵食は良いといっても、摂っているのはせいぜい納豆かヨーグルトぐらいでしょう。コーボンという天然酵母菌飲料を当所で取り扱っているが、製品ではなく、他に普及できる何か良いものはないかと探していたところ、12,3年前のある人の話をフッと思い起こしました。台所の下に松葉の砂糖漬けが長い間置き忘れになっていたが、それに気づいて蓋を開けてみたところ腐らないで、何ともいえぬいい香りがしたと。当時は何となく聞いていたが、頭の隅っこに残っていたのでしょう。それを思い出し、いろいろと調べるようになったわけです。こうして皆さんにもご紹介出来るようになり、うれしいかぎりです。松葉酒は手作りであるから、熱殺菌はしないから、酵母も酵素もすべて生きている。酵母菌(微生物)を身近に感じるいい機会です。松葉酒(発酵食)を皆さんの健康生活に是非取り入れていただきたいと思っています。本草綱目には松葉は「風湿瘡、毛髪を生じ、五臓を安じ、中を守り、飢えず、天年を延べる」とあります。つまりリウマチによく、薄くなった毛髪が生え、内臓の調子を整え、胃腸を守って、食欲を増進し、長寿を保つ、という意味です。  

松葉茶の作り方≫

枇杷葉茶、スギナ茶、ドクダミ茶など作られている方もいます。松葉酒(発酵飲料)はもうすでに多くの方が作られています。スギナ茶はお奨めです。採取時期は78月の太陽エネルギーをいっぱい吸収した頃がいいといわれますが、この頃になりますと、他の雑草に埋もれて見つけにくいですし、数も極端に減ってしまいます。ツクシの後、一斉にスギナが出てきます。この時期後の5月頃に一年分を採取しておくといいでしょう。ドクダミは6月採取です。枇杷葉はいつでもいいですが、若葉でないものを選びます。薬効を言わないと実行しない人が多いのでスギナについて記しましょう。薬理〉利尿作用、循環器系統、血圧降下、糖尿病、痔、子宮出血〈効用主治〉清熱、止咳、利尿、治吐血・喀血・便血・鼻血、倒経、消腫瘍、骨折痛、腸出血、去痰、尿路感染、咳嗽気喘(本草綱目拾遺)

さて新たに松葉茶の作り方を紹介します。採取した松葉を洗い、蒸し器で5分間蒸します。それをザルに置いて陰干ししてよく乾燥させてから1㎝ぐらいに切り、缶で保管します。このままお茶としてもいいですが、炒った方が松葉の香りがよく引き立ちます。簡単ですから、松葉酒を作る時に同時に作られては如何ですか。赤松でも黒松でもどちらでも構いません。

 

クコ(枸杞)との出会いと効用 ハーブ名--ウルフベリー、ゴジベリー 

和名--ヌミグスリ(奴美久須祢) 

多磨川河川敷での早朝の練功を始めて4年程(平成25)になります。徒歩1520分と近いのですが、河川敷巾が100mほどある広い場所で、低木や雑草が生い茂っています。様々な野草の宝庫でもありますし、鷺や川鵜や鴨や可愛い野鳥などもよく見かけます。雉が飛び出してきたりと吃驚したこともありました。ここでの練功は週3回程度ですが、天祖神社境内は今では月3回程度です。3年前の河の増水時に今までの場所が流されてしまったのですが、ちょうどその前にもう少し木々が生い茂って、あまり人が来ない砂地の場所に第二練功場所を設けていました。東南側がU字型に開けていて低地ですが、日拝をするにはいい場所です。その直手前まで溢れた水がきていましたが、この場所は無事でした。今ではその場所が秘密の場所になっています。秘密の場所といっても、時に荒らされる時もありますし、犬を放す人もいて、犬が駆けずり回る時もあります。何をやっているかは分かりませんが、石を必ず10個丸く置いてある場合(結界?)も時折あります。多分その中に入って、日拝をやっているのでしょうか?

8月、お盆で実家に行った時に、野草の大図鑑を持って帰りました。随分知らない野草が多いなと思いながら時折ちらちら見ていました。いつも行く河原にもいろいろな野草があるけれども名の分からないものがほとんどです。葛の花も随分多いのに驚きました。葛の根は漢方の葛根湯の主原料です。根を掘ろうとチャレンジしましたが、砂利ばかりで無理だなと思い、掘るのを諦めました。ヘリクロゲンという有名な葛葉の葉緑素の健康食品があるのですが、葛葉を手軽に利用できる方法がないかと考えているところです。葛葉も花も食用できます。今まで皆さんに紹介してきた薬草等は、スギナヨモギドクダミビワ葉松葉柿葉梅、銀杏、柚子等、身近なものです。

11月に入って練功場所の周りに赤い実が目立ち始めました。名が分かったものは、ピラカンサ、ツルウメモドキですが、まだまだ名が分からないものが多いです。これまでは気が付かなかったのですが、クコの実が多いのには驚きました。クコの実を見つけてから、周りを捜してみると、この場所をとり囲むようにクコの木が15ヶ所ほどあり、この場所だけで凡そ4000粒位(約3週間で)とれました。日陰では実が大きく、数は極わずかですが、葉の勢いはいいものです。ここで茎、葉を採集してクコ茶を作りました。その他の場所もいろいろ探してみましたが、たくさん実のつけているクコは少なく、ここにだけ集中しているようです。土手に多いのですが、葉ばかりのクコです。採る人(利用する)がいないようで、宝物を見つけたように興奮して採っているのは私だけのようです。クコの実は鮮やかな朱色で、あたかも宝石のようです。

クコ茶の作り方--クコの枝を30㎝位で切ってクコ葉を集めます。よく洗ってドクダミの要領で、幾本か束ねて縛ります。葉先を下にして吊るして陰干しします。よく乾いたら、ハサミで適当な長さに切ります。フライパンで23分程度炒り、手でよくほぐします。(茎は固いから注意)急須に入れて飲んでもいいし、煎じてもいいでしょう。別法は、クコの葉を蒸し器で130秒蒸して、天日で乾燥させてクコ茶とします。

クコの実はホワイトリカーにつけてクコ酒とします。生実はそのまま食べてもおいしくありません。乾燥させて、干しクコ(枸杞子)とした方が甘みがでます。天気のいい日に外に出して寒干しますが、乾かすのが難しく腐ったりします。ハチミツ漬け、砂糖漬けにしてもいいようです。また秋末から春にかけて、新芽の出るまでにクコの根を掘って陰干しします。これが漢方でいう地骨皮で、消炎・解熱作用があり、結核や糖尿病、さらに不感症やインポテンツに効くとされます。

20年程前、木の葉のテレパシー、植物の超能力の本の著者、三上晃氏の講演を聞きに行きました。リーフ・バイオ・センサーというコンピューター(植物との交信電子機器)を使って、植物の超能力(探知能力)を借りて、植物に問うわけです。植物が文字を読めたり、数字が分かる、計算ができる、色彩判断ができる、予知ができるという信じられないものです。その中でも関心を持ったのは、適合薬草の判定です。これはOリングテストでも可能ですが、人間が媒体でなく、植物・木々の能力を使って、コンピュターがイエス、ノーで判定するのです。私と三女の毛髪少量を三上氏のお宅に送り、判定をしてもらいました。その時の実験結果は私がクコ、三女が南天でした。それを少量袋に入れて、心臓のある左ポケットに携帯するだけで十分効果があるというのです。煎じたりして飲まなくてもいいのです。実行は半月ぐらいだったので、効果の程はわかりませんでした。それでも体質をよく考慮してみると、その植物の判定も間違っていないと思いました。このことが私がクコに関心を持つ切っ掛けとなったのです。

クコの実(枸杞子)は、虚弱の身体を補い、視力を改善し、寿命を延長する効果があり、たくさんの伝説があります。明朝の有名な医学者の李時珍(1518-1593)の著書、『本草綱目』の中に、次のことを記載しています。

「この薬草は、5つの名前を持っている。季節の変化に合わせて、この薬草の特定の部分を採って服用する。春には、その葉を採り、天精草(クコの葉)と名づけ、夏には、その花を採り、長生草(クコの花)と名づけ、秋には、その果実を採り、枸杞子(クコの実)と名づけ、冬には、その根皮を採り、地骨皮(クコの根)と名づけ、仙人杖とも言う。採ったものを四季に合わせて長年服用すれば、天地と同じように長寿できる」

主五内邪氣(五臓の邪氣を払う)、熱中消渇、周脾周湿(脾臓、リューマチ病に役立つ)、長く服用したら、筋骨を強め、若さを保持し、老衰を遅らせ、寒邪に強い、補精補氣、美容、目にいいし、神経を鎮め、長寿になれる

クコの実の効能--滋養強壮、足腰の弱り、視力減退、めまい、鎮咳、老化防止、疲労回復、精神安定、不眠、肝機能の強化(肝細胞の新生促進、肝細胞内の脂肪沈着抑制)、免疫力向上、コレステロール降下がおもな効能・効果ですが、美白作用などもあるようです

現代栄養学では、ルチンが血管強化や血圧降下作用、ビタミンB1が脳の中枢神経や手足の末梢神経を正常に保ち、ビタミンB2が成長促進、皮膚・髪・爪などの細胞を再生、ビタミンCが過剰化脂質の生成を抑制して、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞を予防、また、ニトロソアミンという発がん性物質の形成を抑制してガン予防に、リノール酸が血中コレステロールを低下させる(但し、過剰摂取はアレルギー、高血圧、動脈硬化を招く恐れがあるので注意)としています。料理では、気管支喘息(呼吸器系の粘膜を強化)、胃腸疾患、低血圧、腎臓病、糖尿病の薬膳に利用されることが多く、一般料理でも、カレーライス、ラーメン、卵焼き、おひたし、汁物、鍋物など様々なものに加えられます。  

昭和40年代に日本中にクコブームが起きた事があるようです。敗戦から20年以上経ち、人々の生活も落着いてきて健康志向に目覚め始めた頃でもあり、クコが万病の薬として喧伝された為日本中にクコブームが起こり、クコは乱獲され、栽培もされました。元々、古来から有名な薬草で、特に中国では不老長寿の薬として三千年前から用いられたとされ、紀元前に編集されたとされる中国古典の「詩経」、1500年代に書かれた中国で最も重要な薬学書「本草綱目」他にも記載があります。日本でもクコブ-ムの最初の走りは平安時代で、貴族の間でもてはやされ、江戸時代には貝原益軒(養生訓の著者)が「大和本草」の中でクコは最良の薬菜とし、そして昭和の日本のクコブームに繋がっています。クコはナス科の落葉低木で中国から帰化した花ですが、日本各地に自生して、ブームが去ってもしぶとく生き残り、花も可愛いが、晩秋にはその赤い実が特によく目立ち、自然豊かな多摩川土手ではあちこちで見られます。しかし、ほとんど関心のない人ばかりで、単なる雑草としか映っていないようです。日本人の薬漬けを回避するために身近な野草、薬草をもっと活用していきたいものです。  

【注意】※月経を促進したり中絶薬と同じ作用をする成分(ベタイン)が含まれていますので、妊娠中や授乳中の女性は食べるのを避けた方がいい。

抗凝固剤のワルファリンの効き目を高めるため、ワルファリンを服用中は枸杞子は食べない方がいい。

血圧や血糖を下げる効果があるので、降圧剤や血糖降下剤を服用中はその効き目が増強される可能性があるので注意する。

 

 

■桑(クワ)の効用

新緑が清々しい頃の6月半ば、いつものように河川敷の小路を散歩していると桑の実()を見つけました。(紅葉苺もこの時期でさっぱりしたおいしさ)自信がなかったので、その実と葉を採取して調べてみたところ、正解でした。桑といえば蚕を思い出しますが、実物を見たのは初めてでした。たぶん今まで見ていたのでしょうが、あまり関心が無かったので気がつかなかっただけだと思います。翌日に実を採取してハチミツ漬けにしました。ジャムにしてもとてもおいしいと思います。河川敷はかなり広いのですが、あちこち探しましたがどうもこの1本だけのようです。低木なので実はあまりつけていません。昔は田舎の子供たちにとって、桑の実はすてきなおやつだったと聞きましたが、私の田舎の石川県では見かけたことはありません。

桑葉は蚕の唯一の飼料で、繭を作り、絹糸をとり、布を織ります。絹といえば現代では貴重な天然繊維だという感じがします。日本に蚕から糸を紡ぐ技術は、稲作などと相前後して伝わってきたと言われています。戦後の合成繊維の普及により、養蚕は衰退してしまいました。現在でも長野県では蚕の佃煮(昔は重要なタンパク源だった)が売られているということですから、たぶん伝統技術として残すために養蚕が行われているのでしょう。蚕は家畜化された昆虫で野生には生息しません。野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物ということです。                                  

冬に根を掘り、細い根は取り除き、水洗いしてから皮部をはぎ天日で乾燥します。これが生薬の桑白皮(そうはくひ)です。11月頃の葉を採取して天日で乾燥したものを桑葉(そうよう)といい、4~6月に若い枝を刈り取り天日で乾燥したものを桑枝(そうし・くわ茶)、4~6月頃に果実を集めて乾燥したものを桑椹(そうたい)といいます。

桑の実は4月から5月頃に花を咲かせ、実を付け始めます。収穫できるのは実が熟し、赤黒くなる6月初旬辺りから下旬辺りまでの1ヶ月間ほどです。桑の実は成り始めは白く、徐々に赤くなり、完全に熟すと赤黒くなります。そうなるまでは酸味がかなり強いので、十分に赤黒くなったものを食べるようにしましょう。果実はラズベリーなどと同じように小さな粒が集まって1個の果実となっています。真ん中の軸は果実の先近くまで中心を貫いた状態で通っています。果実はマルベリーと呼ばれ、桑酒や果実酒の原料となります。果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとするポリフェノールを多く含有します。蛾の幼虫が好み、その体毛が抜け落ちて付着するので食する際には十分な水洗い(塩水)を行う必要があります。 また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきたといいます。

桑白皮には、利尿、血圧降下、血糖降下作用があり、漢方薬の清肺湯(せいはいとう)、華蓋散(かがいさん)などに処方されます。桑白皮だけを用いる場合は、1日量10~15グラムを煎じて服用します。桑白皮はまた化粧水にも使われています。桑葉は、細かく刻み茶材として、お茶のように急須にいれてのむと便秘、高血圧、動脈硬化、補血、強壮、咳止めの予防になります。糖尿病、口渇き、頭痛、たん、せき、目の充血には、1日量5~10グラムを煎用とします。
 桑枝は、リューマチ、神経痛、関節炎に1日量30~60グラムを煎用します。
 桑椹は、肝臓、腎臓の機能を高める作用があり1日量10~15グラムを煎用します。
 桑白皮200グラム刻み、砂糖を同量加えてホワイトリカー1.8リットルに6ヶ月程度おいて、完熟させます。布でこして就寝前に約15ミリリットルを飲用すると高血圧の予防になるとされます。
 熟した果実500グラムか桑椹200グラムに、砂糖150グラムを加えて、約1ヶ月漬けたものをクワの実酒といって疲労回復、強壮、浄血、動脈硬化の予防になるとされます。
 塗布法としては、乾燥した葉を粉末にして、ゴマ油で練って患部に塗ると熱湯やけどに効果があるとされます。生の果実はそのまま食べても薬効があるとされています。また、若葉は、ゆでてから調理して食べます。

本草綱目(明の李時珍著1596出版1604日本へ到来)によると桑白皮は「補盧益気。去肺中水気。煮汁飲。利五臓。入散用。下一切風気水気。消痰。止渇開胃。下食。止霍乱吐瀉。利大小腸。降気散血。云々」とあります。本草綱目では附方として、「咳嗽に粉末を飲む」「消渇で尿が多い場合に煎じて飲む」「金瘡に灰を塗る」「髪が落ちたり、つやがない場合に煎じ液で洗う」「小児の鵝口に生の根の汁をつける」などの方法が紹介されています。その他、桑椹は「汁を飲めば酒の中毒を解し、桑椹酒に醸して服すれば水気を利し、腫を消す」とされ、桑葉は「煎じて茗(お茶)の代わりにすれば、消渇を止める」とされています。また同書の火部には「桑柴火」が収載され、「一切の補薬,諸膏はこの火で煎じるとよい」、「桑木はよく関節を利し、津液を養うもので、その火を用いれば、毒気を抜き、風寒を駆逐する」と記されています。

日本では養生訓で有名な貝原益軒が1709年に編集した「大和本草」には桑の木を中風の薬とする、とあります。本草の葉を酒で煎服すると一切の風を治す。また霜後の葉を煮た湯で手足を洗えば風痺を去る。枝は脚気、風、四肢拘攣を治す。また久しく服すれば終身偏風を患わず、とあります。

鎌倉時代初期の禅僧、栄西(日本臨済宗の開祖11411215)は二度にわたり宋に入り、中国文化の摂取につとめました。そして中国の禅院で行われていた飲茶の習慣を日本でも行うべく、当地で得た茶の実を京都・建仁寺境内に植栽しました。そして茶の始祖となっています。70歳をすぎて著した「喫茶養生記」は養生の法として喫茶を説いた茶書です。茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり。と始まります。その巻下に良薬として桑の記述があります。一・桑粥の法、一・桑の煎じ法、一・桑木を服用する法、一・桑の木を口に含む法、一・桑の木の枕の法、一・桑の葉を服用する法、一・桑の椹()を服用する法があります。これらの法を簡単に説明しましょう。

一、桑粥の法とは、桑木の枝を3(10㎝程度)34つに裂いて、黒豆一握りと水3升に入れて煮る。桑枝はその年に芽生えた枝がいい。豆がよく煮えたら、桑枝を取り除いて米を加えて薄粥を作る。塩は入れないで、朝の空腹の時に食べるといい。喉が渇くことが無く、酒を飲んでも酔うことがなく、身も心も安静である。すべての病を治す効能がある。

一、桑の煎じ法とは、桑枝を裁断し、これを火に炙って乾かす。それを煎じて服用する。生木のまま煎じてもよい。水気、脚気、中風、癰気とか、身体中がかさでかゆくなったり、乾いてかさかさになったり病いとか、四肢が曲がって伸びなかったり、上気したり、眩暈がしたり、咳が出たり、口が乾いたりする病いを皆治し、平常服用すれば、食べ物を消化し、小便の通じをよくし、身体を爽快にし、耳とか眼の働きをよくしたりする、とある。

一、桑木を服用する法とは、桑木の木屑をおいしい酒に入れて飲む。婦人の血の道に効くし、腹中のあらゆる病が治る。平時服用すれば長寿を保つ、とある。

一、桑の葉を服用する法とは、桑の葉を摘んで陰干しにし、それを粉末にして茶の飲み方で服用する。腹中に病無く、身も心も軽快になる、とある。

一、桑の木の枕の法とは、箱のように枕を作り用いると、目が明らかに見えるようになり、頭痛が無く、悪い夢も見ず、鬼魅も近づけない、とある。

一、桑の木を口に含む法とは、楊枝のように削って、常に口に含むと、口、舌、歯ともに病無く、口の中は香ばしい。

一、桑の椹を服用する法とは、熟した桑の実を乾かして粉末とし、蜂蜜でもって練り丸薬とし、これを空腹の時、酒で服用する、とある。身は軽快になって病に罹らない。

一般的に用いるならば、桑の実は砂糖か蜂蜜に漬けるかジャムにする、ホワイトリカーに漬けて果実酒とするのがいいでしよう。もちろん生食もいい。桑葉、枝は桑茶とするのが手軽な方法だと思います。桑葉を4分間蒸して天日で乾燥させ、適当に切って揉みます。その後軽く炒ってもいい。桑葉の粉末のお茶や青汁(粉末)なども販売されているようです。桑白皮は漢方薬局で購入できます。日頃の喫茶といえば煎茶ですが、問題となっているのは栽培中における大量の農薬散布です。東日本震災後の放射線の問題も浮上しました。製茶側は抗ガン作用云々健康にいいといって、たくさんの飲茶を勧めますが、飲みすぎれば当然よくないし、体の状況によっても禁止の場合もあります。いろいろな季節の野草を使ってお茶やお酒にしたりと、手間はかかりますが、安心で楽しめますので、皆様もぜひ活用して健康管理に役立てて下さい。     

桑の実は季語・夏 桑の実を口にうつろに落とす音 /虚子 

桑は季語・春   上州や桑一斉に芽立ちける /竹内たけし

 

ホームに戻る

inserted by FC2 system